第8話 巻島のテープは唐揚げを包み上げたい
いろいろ話している間に、注文していたラーメンや唐揚げなどが来た。
「なぁ~、巻島さ。いつものやって。」
と紅からお願いされた。
「ほい、分かったよ。」
と私は笑顔で答えた。
私は、セロハンテープの手指から目に見えないくらいの薄い膜を出してから、それを唐揚げにつつんだ。
紅はそれを食べて、笑顔になっていた。
「やべえ~。肉汁が逃げないからジューシーだわ。」
紅の口元はすこしとろけており、少し甘い声になっていた。
私のテープはたんぱく質で、口に入れても害にはならない。味は無味のため味が変化したのではなく、肉汁のみ逃がさなくし肉のうまみを閉じ込めているだけだ。
「やっぱり、そのギフトはすごいな。」
口に充電器を咥えながら、風祭は呟いた。
「いやいや、風祭の方がすごいからね。」
私は謙遜して、風祭のギフトを称えた。
「おい、口に充電器を咥えていることをバカにしているか。うちのプロペラは充電しないと、動かなくなるからしょうがないだろう。」
と風祭はにやにやしながら、返答した。
「そんな意味で言っていないよ。バットさえ当たれば、そのプロペラの時速80km風で、1塁につけるじゃん。」
と私は誤解されてしまいそうだったので、瞬時に誤解を解いた。
「いや~。真っすぐにしか飛べないから、凹凸がすこしでもあったら、転ぶんだけどね。そこを改善したいんだけど。」
「私みたいな体タイプのギフトは応用できないからね。足の指のプロペラを使いたいんだけど、風力も微妙で使いづらい。そういった意味で創タイプの巻島がうらやましいよ。」
と風祭は苦笑いになってしまった
「私も応用なんてできないよ。」
と自分でそれを言ってしまう辺り、情けなくなった。
「土御門って。土を操っているし、おそらく物質を操作することが得意な操タイプだよね。
操タイプって応用得意なイメージだったけど、知能が低いゴーレムしか作れないし、そこまで応用力なさそうだよね。」
と応用の話が出たから、なんとなくだけど土御門と結びつけてしまった。
「ギフトはすべて見せているけど、あれで応用とか難しいだろうと思うけど。
あいつのバッターボックスに立った気迫はすごかった。もしかしたら、秘策とか隠していると思うかもな。」
と大和は否定していた。
その後もみんなと食事を楽しんで、終わった。
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