第7話 大和も気になります。 


バッター対決後、練習は何事もなく終わり、土御門は何も言わずに帰っていた。



私たち4人は、いつものラーメン屋に行った。


練習中に気になっていた勝った後の大和の表情について、注文中に大和に聞こうと思った。


「ねえ~。大和聞きたいことがあるんだけどいい?」

私は、早く知りたくて、すこし早口で言ってしまった?


「巻島の聞きたいことはなんとなく想像がつくよ。バッター対決中になんで、私が浮かない表情を浮かべていたかだろ。」

と大和は私の聞きたいことをそのまま言ってくれた。


「そうよ。」

答えが気になったため、短めに私は返答した。


「紅の球って、初見だとタイミングすら合わせることも難しいだろう。私たちも160kmのあの球に関してはようやく慣れてきたところだ。しかし、1球目からバットを振るタイミングが合っていたんだよ。」

と大和は恐る恐る口を開いた。


「いやいや、それは偶然だろ。短期戦で俺は絶対に負けないから。」

と紅は声を荒げた。


「それが3球ともタイミングがあっていたんだよ。初球の1球目もわざと空ぶった印象もある。」

と大和は、動揺を隠さず言った。


「それって、俺に初球の癖を治せって遠回しに言っているのか。」

とさらに激昂しながら紅は発言した。


「事実、土御門は空ぶっているし。そんな回りくどい説得なんてしないよ。」

と大和は呆れながら言った。


「仮に振るタイミングが合ってもよ。コースが読まなければ打てないじゃん。しかも、紅にはフォークあるしね。」


と紅にフォローを私は入れた。しかし、コースさえ読まれたら、打たれるという事実を私は受け止めていた。


「そうだな。」

と紅は安堵した口調で言った。


紅の扱いには、私たちは注意を払っており、特に大和はいろいろと考えている。


紅は過去に鋭くて赤い目の容姿やギフトが血液関係でドラキュラといじめられていた過去があり、紅はいじめに対して、負けないために自分が強くあり続けた。


強い自分の証明として男っぽくふるまうにより、女性としての生き方を忘れてしまった。


誰にもいじめられないために身体機能をギフト使いながら極め、自分は強いと思い込んでいる。


実際にかなり打たれたとしても、弱い自分に戻りたくないという思いが強く、粘りのある投球ができる。おそらく、いじめを冷静に耐え抜くことによってストレスの持久力は強い。


しかし、言い負かされたり、本当に強いバッターと当たったりするときは自分の強さを否定されてしまい、2~3球乱れることが見られている。



この表現があっているかはわからないが、ストレスに関する持久力はあるが、瞬発力はない。


紅の精神は強くて、脆い精神をうまく扱わないといけない。


それが紅の強さであり、弱さでもある。

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