第6話 大和の勝負勘は半端ないけど、今回は少し外しているよ

大和と紅は、マウンドですこし言い合っているみたいだ。


それほど、大和も危機感を感じているのか。と思うと、このバッター対決の結果がかなり楽しみである。


大和は少しため息をついて、キャッチャーの位置に戻った。


やはり、紅の気分に合わせて、少し引き下がったのだろう。


「風祭さ。風で読めるのってさ。性格のみだよね。」

私は隣にいた風祭に話しかけた。


「そうだね。大和の慌てようで、勝負の流れを気になっていると感じか。」

風祭は、私の思っていることをすべて言い当てた。


「大和の勝負勘が何かを察知したってことになるね。大和の勝負勘は1度も大きく外したことないしね。」

私も状況を整理するために、今の発言を行った。


風祭同様に、武士道のギフトのタイプは体タイプに属しており、感タイプと相性がいい。


武士道の感タイプのサブギフトの内容としては、勝負勘が強いとのこと。勝負中は、勝負相手の大まかな考えや相手の心理状況も分かる。


そのため、ピッチャーの投げてくるコースや変化球など分かることが多い。


ギフティーボールの一面以外では、雀荘にて、一晩で100万稼いだという事実もある。


いろいろ考えている間に、紅は2球目を投げた。


そのボールを土御門は空ぶったが、大和の表情はまた曇っていた。


もしかすると、逆転もあり得るのかと胸を躍ってしまった。


そして、私も慣れていない160kmの球を紅は投げた。


ヒットを打ってくれそうという期待はむなしく、三振になってしまった。


私たちでも慣れていない球をいきなり打てるわけがないと私はがっかりした自分に言い聞かせた。


しかし、大和の表情はまだ浮かない。気になったが、さすがに練習をしないといけないため、練習後に聞こうと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る