第2話 初めてのプリパラ! ライブとの出会い!
「きゅわっち!! 今日もキラキラ頑張るよ! ってえっ!?」
勢いよく掛け声をしたはいいものの……ここどこ!? えっと……遺跡でマテリアルカードをスキャンしたら、いきなり体が包まれたんだよね……
周囲を見渡してみると、チカチカとした魔動機文明特有の明かりで装飾されており、沢山の可愛らしい服が置いてある。ここは服屋なのかな?
二人は大丈夫かなぁ……ってあれはレナちゃん!?
「これが……わたし……? 角も……アザも……傷跡も……なにも……」
そこには、服屋にある大きな鏡を見て、茫然とした表情を浮かべるレナちゃんの姿があった。綺麗な白い髪を靡かせて、フリフリのドレスを纏っていて――
「すごーい!! レナちゃん綺麗!! すごい、すごいねー!!」
「ミディも……可愛くなってる……!」
思わずレナちゃんに抱き着いてしまう。女の子の夢を叶えてくれる、なりたい自分になることが出来る! これがプリパラなんだね!!
「えへへー! えへへー!!」
気付いたら私の衣装も凄い可愛くなってるし! やっぱり凄いよプリパラ!! でも、なんでこんな施設が魔動機文明に誕生したんだろう……確かになりたい自分になることでキラキラ輝くことが出来るけど、これだけだと、何処か足りない感じがしてしまう。そう、確かに自分は輝ける……でも、皆をキラキラさせる事には繋がらないよね……
うーん……まぁいっか!! レナちゃん可愛いし!!
「みんなー! お待たせ―!!」
あ、ポプちんも着いたみた……えっ?
「……誰?」
「えっ? ええっ!? えええええーーーーーー!」
ふりっふりの可愛らしい赤いドレスに、大きなリボンとピンクの髪。コロニー落としで有名なあの伝説の吟遊詩人……
「え!? れなちゃん分からないの!? 私だよ!」
「私だよ私!」
「私だよ! 私だよ!」
「私だよォっ!!」
「!?!?!?!?!?」
「転新おとしちゃん!?」
強い音と共に、中身であるポプちんが出てきたと思ったら、すぐに元の可愛らしい女の子の姿に戻る。……すごい、あれがパーフェクトメイク!
「あっと! 危ない危ない!」
「……色々言いたいことはあるけれど、戻るんだ、それ……」
「すごい……全盛期のおとしちゃんだ……」
「みでぃちゃんは私のことちゃんと知っててくれたんだね! ありがとー! というわけで私が伝説の歌姫、転新おとしだよ! 改めてよろしくね!」
凄い……全盛期の吟遊詩人。転新おとしちゃんを復活させることが出来るなんて……プリパラは想像以上に凄い可能性を秘めてるのかも……
「がーう」
「がうくんー! 小さくなってる!?」
「あ、がう君……かわいい……もちもちしてる……」
「うんうん! プリパラに入ったことでレナちゃんの乙女パワーがたくさんアップしてるみたいね!」
「がう」
そして、おとしちゃんの後ろから小さい姿になったがうくんが、ふよふよと宙に浮きながら近づいてくる。よかったー! がうくんも入れたんだね!
レナちゃんにもちもちされると、服屋にある一点を示すように首を動かした。
「がうくんどうしたのー? って誰か倒れてるよ!」
「大変! 助けてあげないと!」
「……? アレは……? あの、大丈夫ですか?」
眼鏡をかけた女性が倒れており、レナちゃんが声をかけると機械的に立ち上がる。
な、なんというか魔動機みたい……
「……シャキーン」
「プリパラにようこそ! 私はめが姉ぇ。システムでーす!」
「プリパラは初めてですか?」
「どうぞあちらにすすんでくださーい!」
彼女が指をさした方角を見ると、その先には店の外に繋がっているような門があった。
魔動機文明の遺跡には、こんな感じで遺跡内部を案内してくれるような存在がする。他にも侵入者防止の為のシステムとかもあったりするんだけど、基本的に人を裏切るような罠は存在しない傾向にある。だから、ここは従って大丈夫なはず!
「じゃあ並ぼっか!」
「きゅわっち! わかりましたー!!」
「は、はい……」
でも、こんなシステムが残っているってことは比較的損傷が少ないって事だよね! もしかしたらもっと凄いものがあるかも!! 何が出来るのかなぁ……
「プリパラではライブができまーs、s、s……バタン」
あれ!? また倒れちゃったよ!?
「えっ、アレは……大丈夫なのかな……?」
「やっぱり、かなりボロボロになっちゃってる……?」
おとしちゃんが近づいて調べてみると、驚いた表情を浮かべる。
「こ、この人ルーンフォークでもほかの人族でもないよ!?」
「ええっ!?」
「こんな状況が変だし……今は先に進むしかないんじゃないかな」
うーん、だ、大丈夫かな……で、でも特に罠とかはなさそうだし……
「知らない種族の人がいるなんてプリパラって不思議だね!」
「そうだね……」
「がーぅう」
とりあえずは前に進むしかない……かな! 少し不安を抱えながらもわたしたちが門を開けると――
――そこには、がれきの山が広がっていた。
◇◆◇
「え、ええ~!? プリパラが壊れてる!?」
「さすがに、時間が立ちすぎたのかな……」
「これは……」
目の前に広がっていたのはがれきの山。かつてはキラキラ輝く娯楽施設だったのかもしれない。でも、それが分かるせいか、より寂寥を感じてしまう。
「う、うん。でもこれはあくまで調査任務だもんね! きゅわっち! 調べるよ!」
「なにか、動くものは……」
正直言って凄い残念だけど……私たちは遊びに来たのではない。冒険者としてこの遺跡を調査しにきたのが本来の目的! だからこそ、何か使えるものがないか見つけないとね!
「がうっ!」
「これは……足跡……? まだ新しい……ココに人が……?」
「他の人が入っちゃったの!? 探さなきゃ!!」
「よぉし! それじゃあ探検だね!」
短時間の間で探索を行うと、三種類の足跡をがうくんとレナちゃんが発見してくれた。特に足跡は隠されておらず、比較的新しいものであったことから、簡単に辿っていく事は出来そうだ。
「こっち」
「きゅわっち!! ついていくよー!!」
「さすがレナちゃん! 頼りになるね!」
レナちゃんの後をついていくと、瓦礫の山に到着した。瓦礫は少しだけどかされており、まるで地下に繋がっているようなハッチ型の扉を確認することが出来る。
「この中に入ったのかな……?」
「あっ! レナちゃん待ってよー!!」
「真っ暗だね……気を付けて降りよう!」
扉の先は、地下へと繋がる真っ暗な階段。わたしたちは暗視の能力を持ってないから注意しないとね……
階段を降りていくと、奥から淡い光と軽快な音楽が聞こえてくる。どこか楽しそうで、キラキラ輝いているような軽快な音楽。
なんか、凄いものと出会える予感がする……と期待に膨らませていると、目の前にはキラキラした空間が広がっていた。
「これは……何?」
「す、凄いよ!! 凄いキラキラしてる!!」
どこからか音楽が流れていて、目の前には大きな舞台。舞台にはフードを被った小柄な少女と大柄な少女が汗を輝かせながら踊っている。
周囲に観客は居ないみたいだけど、どこか不思議な魅力と熱狂がここにあった。
「これがプリパラのライブなんだね!」
「がうっ! がーうっ!」
「これがライブ……」
わたしは彼女たちのライブが終わるまで、その目を動かすことが出来なかった。
……これがプリパラの本当の力、ライブなんだね。確かにライブがあれば沢山の人をキラキラと輝かせることが出来ると自分の身で体感する。
だって、ライブをやっていたあの子たちは凄い輝いている。ライブを終わらせてハイタッチをする二人は、凄いキラッキラな表情をして、今も輝いている。
ふと、横を見てみると、レナちゃんは真剣な表情で。おとしちゃんは不敵な笑みを浮かべて彼女たちを眺めていた。
これがプリパラの力の一端。それだけでも、わたしたちは心が震えてしまったのだった。
【プリパラ×ソードワールド2.5】ラクシア世界でプリパラチェンジ!? クロア @kuroa1016
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。【プリパラ×ソードワールド2.5】ラクシア世界でプリパラチェンジ!?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます