第4話
私は、正直いってびっくりしました。まさか、戦局がそこまで悪くなっているとは思っていませんでしたし、だいいち、資源を確保しようにも一体どこにあるというんです。
「閣下、お言葉ではありますが・・・」
閣下はうなずくと、
「わかっている、もう本土には確保すベき資源は無い。そこで、君にある所ヘ行ってもらいたい。そこは人跡未踏の秘境であり、多くの資源が眠っている可能性がある。」
「それは、いったいどこでありますか。」
「聞いてしまえば、もう引き返すことはできないぞ。これは、果たす見込みの殆ど無い任務だ。我が国のために、どうだ行ってくれるか。」
閣下は、私の目をじっとのぞきこみました。私はうなずきました。すると、閣下の口から出たのは、全く思ってもみなかった所だったのです。
「南極だ。」
南極。そう、確かにこの戦争の最中では、どの国も目をつけてはいないでしょう。しかも、あの広大な雪原の下には、それこそ無限の可能性が眠っています。私は、体中の血がカッと熱くなりました。
「閣下、喜んで参ります。」
すると、閣下はニコッと笑って、私の手をとってくださり、
「我が国の将来は、君達の手にかかっているのだ。がんばってくれたまえ。」
と、おっしゃいました。
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