第27話 終焉


 P-4とV-2はじりじりと距離を詰める。


 左にヴェル公女のP-2T、右にヒナ王女のP-3Tが配置した。


 ラスタは、思い切り踏み込み、剣をV-2の正面に叩きこむ。


 V-2は鎌でそれを撥ね退ける。


 P-4も深追いせずに、距離を取る。


 P-2TとP-3Tが待ち構えているために、V-2も追撃が撃てない。


 後ろにクラン王子のF-9と左腕が切断されたウルフのE-1Tが回りこむ。



 互いにけん制しあって、手数が出なくなった。


 「私がぁ」


 気合とともに、ヒナ王女のP-3Tが飛び込む。


 「王女?迂闊うかつです!」思わずラスタがつぶやく。



 V-2の鎌が一閃いっせんすると、P-3Tは上下に両断される。


 コクピットから王女が投げ出される。


 「王女!」言ってラスタは飛び出す。


 P-2TとF-9、E-1Tが壁を作り、P-4をかばう。



 ラスタはヒナ王女の倒れているところまで全速力で移動した。


 P-4のハッチを開けて、ヒナ王女に駆けよる。


 ヒナ王女は額から大量に出血している。もう顔色も真っ青だ。


 「ラスタくん・・・、私、ねえ、恋したかったなぁ」


 そう言って、帰らぬ人になった。


 冷たくなっていく、王女を抱きしめ、P-3Tの傍まで運ぶ。


 「王女様を預かっていてくれ、P-3T」



 ラスタはP-4に乗り込んだ。


 V-2はみんなが抑えてくれていた。


 P-2TとE-1Tはターボ出力を最大限まで上げているようだ。


 F-9はさすがと言うべきか、V-2相手にもどうにかしのいでいる。


 そこに、P-4が戻った。


 

 ラスタはゆっくりと、V-2のほうに移動する。


 無防備に近寄っているようだが、V-2は攻撃してこない。


 P-4からのオーラ、機体の計算上ありえないようなパワーを感じる。


 そもそも高かった相性値1.3が数倍から数十倍にまで膨れ上がっているのかもしれない。


 V-2の鎌がP-4に向けて振り下ろされる。


 しかし、P-4の剣がそれを弾くと、鎌はそのまま遥か後方にまで吹き飛ばされる。


 P-4がさらに剣を振るとV-2の右腕が切り落とされる。


 「バカな、ヘキサコアのV-2がパワー負けしているだと?ありえん・・・P-4とはいったいどんな機体なのだ?」


 そして、P-4の剣が、V-2の胴体に突き刺さる。


 サ=ヴァルドの体にも剣が突き刺さり、6個の魔法石が誘爆する。




 見たこともないような大爆発。


 「ラスタ!」思わずヴェル公女が叫ぶ。


 



 爆炎の中、P-4は無傷で立っていた。

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