第25話 トレッカ集結

 E-1TとA-1が対峙した時に、お互いに相手が誰か分かっていた。


 ウルフとネメシス将軍は何度か顔を合わせたことがある。


 カスタム機の性能もほぼ互角。


 E-1Tがパワー重視なのに対し、A-1はパワーとスピードにパラメーターが振られている。


 E-1Tの大剣とA-1のアクスが激突する。


 А-1のアクスは大きく後ろへ持っていかれる。


 E-1Tは2撃、3撃と打ち込んでくる。


 A-1はぎりぎりのところでかわす。


 かわしたところから、アクスの反撃を入れる。


 E-1Tは大剣の柄の部分でそれを受け止める。


 そんなやり取りが5,6撃続いた。


 互角らしい。


 

 そこに、ヒナ王女のP-3Tが援軍に駆けつける。


 カスタム機が2機いては勝負にならないと悟ったのか、A-1は後退する。


 ヒナがそれを追う気配を見せるがウルフがそれを止めた。


 帝国にはまだV-2という化け物がいる。


 4機のL-5が撃破されたこと、A-1が撤退したことなどから一時帝国側は引き上げた。


 この間に、クランダ連邦の鬼神20機、スール王国の鬼神5機が破壊され、帝国側も鬼神15機が破壊された。



 そして、この間にイシュル王国とダナン公国の鬼神が到着した。


 イシュル王国はZ-10が60機とZ-5が20機、それにF-9が1機、ダナン公国はP-2TとP-4である。


 数の上でも質の上でも連合国側が大きく帝国側を上回った。


 

 「待たせたなウルフ」


 「クラン王子が自らお見えになるとはかたじけない」


 「ヒナ王女も無事でなによりです、心配しておりました」


 「私は、心配ない、ヴェル王女こそ、ご無事で」


 連合国の4人の最高司令官が一同に集まるというのも、壮観だ。


 ラスタも同席しているが、特に何も言わずに黙っていた。


 「作戦指揮は私でよろしいかな?」


 「ああ、クランダ連邦の領土内だ」


 「既に帝国を超える鬼神が揃っている、ただし、帝国にはⅤ-2という化け物がいる、カスタム機の単独行動は避けるべきだ」


 「たしかに、そうだな」


 「編成は、Aチームがクラン王子のF-9、俺のE-1T、Bチームがラスタ君のダナンP-4、ヴェル公女のP-2T、ヒナ王女のP-3T」


 「俺はウルフとか」


 「V-2を見つけたら、なるべく戦わず5機で仕留めたい、ただ、状況次第ではチームごとに交戦してくれ」


 「それと、帝国の新型機は俺たちの新型と大差ない、包囲殲滅する、以上」

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