第24話 復讐
ヒナ王女は、今見ても体が震える。
前回は2機のL-5に全く相手にされずに愛機を破壊された。
それが、今回はL-5が4機だ。
魔法石にかざした手から緊張で汗がしたたり落ちる。
L-5は、最初、カスタム機と分かって警戒していたが、あまりに動きの悪いP-3Tを見て、攻撃を仕掛けてきた。
L-5の攻撃が1つ2つとヒットする。
耐久力の高いP-3Tだから、一撃食らっても大したことはないが多数食らえば、致命傷になりかねない。
それでも、ヒナ王女は恐怖から、うまく操縦できない。
集団でレイプされた時の光景が頭に浮かぶ。
そして、それが今クランダ連邦内で起きている、今、まさに少女たちが帝国兵にそれをされているのだ。
そう思うと、怖いより、許せないが先になった。
気を取り直して、P-3Tを操る。
不用意に接近してきたL-5を剣の一撃で葬り去る。
大きな爆発。
それまで、P-3Tをなぶっていた他のL-5に緊張が走る。
2機目のL-5は、まず足を攻撃し、動けなくなったところをパイロットに直撃するように剣を突き刺し破壊した。
P-3Tの剣先に血がべっとりとついている。
L-5の残りの2機はひるむが、スピードが桁違いだ。
すぐに、間合いを詰め、コクピット目がけて剣を振る。
魔法石の爆発。
4機目のL-5は撤退をしようとして反転していた。
そこに、P-3Tがピタッとくっつく。
剣を振ってダメージを与えようとするが、まず腕から切断される。
次に左足を切断。
動けなくなっているにも関わらず右足を切断。
降伏しようとハッチを開けようとしたところに剣が刺さり、パイロットは即死だった。
ヒナは知らなかったが、そのパイロットたちは帝国の第3旅団、第4旅団の団長とその副官だった。
辺りに敵機がいなくなると、ヒナ王女はハッチを開けて機体の外に嘔吐した。
人を殺すということが気持ち悪かった。
捕虜にすることもできた。
それでも殺した。
4機のうち2機は多分少女が乗っていた。
それでも、怒りに任せて殺してしまった。
帝国のレイプを自分が非難できるのだろうか。
ヒナはそう思いながら吐き続けた。
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