第16話 撤退


 残りのL-5は3機。



 今度はP-4に向かって攻撃を仕掛けてくる。 


 L-5の動きがいい。


 先頭の1機が盾を前面に持ってきておとりとなる。


 そこに目を奪われている間に残りの2機が左右からP-4を攻撃する。


 L-5のコンビネーションはうまく行っていた、そして、L-5の剣はたしかにP-4を捉えた。


 しかし、P-4は耐久力も桁が違っていた。


 ラスタがダメージを確認するが、ステータスが10減少しただけだった。


 正面で盾を持っていた第1旅団副官の機体の腕を切断し、返す刀で胴体を切断、爆散させる。


 残りは2機。


 第2旅団団長のサッテは第1旅団団長のカラナに下がるように指示を出す。


 撤退を指揮するのも指揮官の役割だ。


 カラナはそれを悟り、全速力で後退する。


 「すまない、サッテ」


 P-2とP-4に囲まれて、サッテのL-5は身動きが取れなかった。


 ヴェルがハッチを開けて、サッテにもハッチを開けるように告げる。


 サッテが両手を上げてハッチを開けた。


 「私はダナン公国のヴェル、あなたは?」


 「ヴァルド帝国第2旅団団長のサッテだ」


 「あなたには捕虜としての権利があります、まずは機体から降りてください」


 サッテは大人しく、機体から降りて捕虜ほりょとなった。




 帝国軍はカラナの撤退指揮によって帝国方面へと退却していった。



 反攻作戦


 帝国側損失 ヴァルドN-2 50機 ヴァルドL-5 3機


 連合国側損失 イシュルZ-5 40機 イシュルZ-5改 1機


 なお、帝国側損失のヴァルドL-5の内、1機は連合国側で鹵獲ろかく

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