第24話 街のヒーロー


裏通りを抜けて、到着したのは石造の大きな建物で欧州のどっかの街にあるような少し周りとは違い古い雰囲気を出している建物だった。


車を止めると、

ミレーヌが先に降りてブルースの座る座席側の扉を開けた。


「ここはキリュウが主役だからな。

とりあえず車はここでいいから一緒に来てくれ。

鍵は忘れるなよ」


ブルースはそういうと車から降りたすると、それに気がついた人々が集まってくるのが目に見えてきた。

カメラのようなものを持った人もいるし、メモのようなものを取るような人もいる。

それら他には驚いた顔をする人や物珍しそうに近寄ってくる人もいた。

さながらスーパースターのような感じだった。


キリュウは車を降りて、鍵をかけてブルースの後ろをついて行った。

インタビューを受けいたが、ミレーヌがそれに対して断りの言葉を入れて建物へ向かって歩いて行った。


節々から聞こえる声は、

「あの美人秘書が戻ってきた」

「今後のビジネスの展望は」

「新製品の内容は」


などなどと言った感じだった、遠くからは若い女性の黄色い声が聞こえてきた。


ブルースは建物に入る直前にくるっとキリュウの方を見て手招きをしてきた。

ブルースに近づくとキリュウを引き寄せて横につかせて記者たちに向かってこう言った。


「俺の友人を紹介しよう。

彼はキリュウ・タチバナだ。あのアパート火災で人々を救った英雄だ」


それを聞いた記者たちは驚いた顔をして、狙いがブルースからキリュウに変わったのが感じることができた。


しかし、ブルースはウィンクをしてキリュウの肩を引き寄せてそのまま記者たちに何を言わせない間に建物の中に入って行った。


建物の中では、警察官と思われる制服と腰回りに警棒や手錠と銃を身につけた人々と

それとは少し違う制服に身を包む人々がいるのが目に入った。


「ここはニューアムステル警察局の庁舎よ。消防局もここに入ってるのよ」


ミレーヌが説明すると、

その横にどこから現れたのか分からなかったが警察の制服姿に身と包んだアキラがむすっとした顔で現れた。


ちょっとびっくりしたが、手を差し出してきたのでキリュウその手を握った。すると彼は抱き寄せてきてハグをしてくれた。


「子供達を救ってくれた感謝してる。誇りに思うよ」


「あ、はい...」


「じゃあ、案内するよ。局長とプレスがスターをお待ちだ」


アキラはそう言って、キリュウをある部屋へと案内していった。

ブルースとミレーヌもそれに着いて行った。


アキラが連れてきた部屋の扉には記者クラブと書かれた看板がありそこの扉を開くと、会見上のような間取りをしていて複数人のさっきいた記者と同じような人たちが集まっているのと壇上にはお偉いそうな制服を着た中年の警官とスーツに身を包むニコニコとした老人が立っていた。

そして横には、カーキ色の軍服を着た20代前半ぐらいの若い男性が立っていた。


彼らは和気藹々と雑談をしていたようだったが、スーツの男性がキリュウが入って着たのに気がついてこう言った。


「皆さま!街のヒーローの登場ですよ」


すると記者達はキリュウに目を向けた。そして手に持っていたカメラが向けられた。


するとスーツの男性が手招きをしてこう言った。


「ジンボウ警部補。彼を壇上にエスコートしてくれないか?」


「ええ、市長」


市長はそれを聞くと、ブルースがいることに気がついてこう声もかけた。


「ブライアント卿もお越しだったんですね」


ブルースはそれを聞くなり、こう答えた。


「今日は、私がスターじゃないんですよ。彼をよろしくお願いします」


「ブルースさんの友人とお聞きしたんですが!彼は何者なんですか!?」


そうシャッター音が聞こえ始めてブルースの方にそう記者達が声をかけてきた。


「彼はただのヒーローさ。ただ必死に恐怖よりも使命感に燃えて人を救った人だ。


強いて言うなら俺の元で働いてもらってる少年さ」


ブルースはそう答えるとウィンクをして腕を組んでいた。物落ちしない感じが明らかにこの状態に慣れている感じが見てとれた。


部屋に中がさわがしくなちゃところで市長がパンパンと手を叩いてこう言った。


「では!皆さん。ヒーローの足止めはよく無いですよ。早速セレモニーを始めましょう」


市長がそういうとアキラがキリュウを引っ張って壇上に上げた。


そして、アキラは用意されていた賞状と小さな箱を市長に手渡した。


市長が握手を求めてきたのでキリュウはそれに応えて手を握った。

するとパシャパシャとカメラのフラッシュが光り始めて、警察官達にブルースとミレーヌは拍手をしてくれた。


「アキラ・ジンボウ警部補と同じ出身だそうだね。年はいくつなんだ?」


「17歳です」


市長はそれを聞くと驚いたのと同時にどこか残念そうな顔をしてこう言った。


「おお!若いな!それはそれは....


キミのガッツを見た消防長から、ぜひキミを消防局に入れたいって言っていたが....

18歳になたらぜひニューアムステルの消防隊に入ってくれ。


キミのような若い英雄をこの街は待ち望んでるよ」


市長はそういうと賞状を渡して、箱の中身を見せてくれた。

どうやらバッジのようで街の英雄を讃えると文字が彫られていた。


市長はそういうと、キリュウを引き寄せて肩を組みこう言った。


「彼は若干の17歳だそうだ。

帝国移民と聞いてる。彼のような帝国から夢を求めて移住してくる勇敢な若人にはぜひ我が街を守ってもらいたい」


それを聞いて拍手をしたのはアキラを除く警察官達と記者達だった。

ブルースはどこか嫌そうな表情をしており、ミレーヌは首を傾げていた。


式典はあっという間に終わって、市長と警察官たちが出て行った後、

記者が残ってキリュウにインタビューをしていた。


キリュウ自身はこうことが初めてで、緊張していてあまり何を答えて良いのかわからない感じでおどおどとしているとミレーヌとアキラがパッと入ってきてアキラがこう言った。


「彼は勇敢に戦ったが、訓練を受けてないただの少年だ。

事故のショックが残っててあまり話せないんだ。勘弁してくれーーーー


俺にとっても彼はヒーローだ。

長女と一番下の子を救ってくれた」


その言葉を聞いて、記者たちはアキラに対して前のめりになった。


その好きにミレーヌに連れられて、ブルースと共に部屋を出ると部屋にいた軍人が外で待っていた。


「よかったら彼をお貸ししてくれないか?ちょっとお話がしたいんだよ」


軍人はそういうとブルースがこう言った。


「構わないが、キリュウは俺の運転手だ。こいつがいないと困る。

10分時間のは余裕があるから、その間だけなら大丈夫だ。


終わったら、エントランスに案内してやってくれ」


「感謝するよ。ブライアント卿」


軍人はそう言ってお辞儀をした。


「では、ミレーヌさんも同席でも構いませんが....」


「いえ、私はブルース様のそばにいますので」


ミレーヌはそう言うとため息をついて軍人に何かの紙を手渡した。


「これよろしく」


ミレーヌはそう言うとブルースが歩き始めたのでそれについて行った。


それを見送った、軍人は面倒臭そうに紙を見てこう言った。


「はいはい....

では、さっさと要件を済ませたいと思います。

キリュウ君。着いてきてください」


軍人はそう言うと、くるっと方向転換をして歩き始めたのでキリュウはそれに着いて行った。


着いて行った部屋には看板が架けられていて...

そこには帝国陸軍情報局と言うのが書かれてあった。


ドキッとしたキリュウを見て軍人はこう言った。


「君を追ってる帝国軍とは別組織だよ。我々は別働隊。

信くれとは言わないけど、安心はして欲しい。


私はミレーヌの部下のアレクセイです。どうぞお見知り置きを」


キリュウはそれを聞いて頭に?が浮かんだ。

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