第15話作戦会議
「兄さんのキャパシティは信頼していますが、このペースで魔物が増えていくなら一匹でとんでもない……例えばドラゴンのような魔物もやって来ることになると思うのです」
「あー……ないとは言い切れない、かな?」
「だとしたら、兄さんのテイムのキャパシティはなるべく温存しておいてほしいんです。私じゃドラゴンなんて扱いきれませんし」
「シャナルも何匹かならいけると思うけど……」
「無理をすればそうかもしれませんが……私にはヴィートもいますし……」
「そうか」
使い魔として一匹にほとんどの魔力を割いているシャナルと、俺のようなフリーで契約だけを行うテイムはまた少し話が違うかもしれないな。
あれ? それでなんだったっけ……。
「ですから……私が可能な限りテイムを引き受けます」
「なるほど」
今後のことを考えればそうしておくのもいいかもしれない。
「では私も……と言っても手伝うというよりは相性の良い子をもらえれば程度でしたが……」
「母さん」
まあ分担できるならしておくのは良いだろう。
宮廷のときのように世話をするつもりはないんだが、それでも面倒を見切れる量には限度がある。
そう考えると母さんとシャナルにいくらか預けたほうが良いだろう。
それに何よりこれからの生活はサバイバルになると言える。
大規模なテイムで恩恵を得る俺はともかく、二人も身体能力が向上しておくに越したことはないのだ。
「わかった。じゃあ二人が担当できるだけやってもらって、残りは全部俺が面倒を見る」
「わかりました」
「じゃあシャナルと話し合って決めるとしましょう」
母さんとシャナルが話を始める。
その間に俺はすでにテイムしているゴブリンを呼び出して指示を与えた。
「水源から水を引く工事がしたい。あとは木を使って家を作る。洞穴生活じゃなくなるけど大丈夫か?」
「ギー!」
大丈夫そうだった。
「じゃあまずは……」
地面に設計図のようなものを書きながらゴブリンたちに説明していく。
ホブゴブリンは人間と同じくらいの体型だ。力は並の成人男性よりあるだろう。
自分で考える力は少ないが、基礎体力と指示に従う知能は十分にある。
「できるか?」
「ギッ!」
「ギー!」
「よし、じゃあ他のやつらと一緒に行ってきてくれ」
「ギー!!!」
司令塔はゴブリンに任せてオークのパワーやコボルトの素早さなんかはそっちでうまくやってもらえばいいということにしよう。
楽しそうに仲間を集めながら森を飛び出していくホブゴブリンたちを眺めていると、母さんとシャナルが戻ってきた。
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