第14話シャナルの提案
「これは……想像以上だな……」
旅は順調に進み俺たちはようやく街道もない森の中にたどり着いていた。
途中から馬車自体をマジックボックスに収納してエルダとクエルにそれぞれ二人で乗って移動した。
俺の後ろにシャナル、ロビンさんの後ろに母さん。
二頭とも商人が手を焼くほどの大型の馬だったのが幸いした。
と、それはともかく……。
「兄さん、これ本気で全てテイムするつもりですか?」
森の中で俺たちが足を止めた理由は、当初の予定通り生活の拠点を作りやすそうな場所を求めてのことだった。
この辺りは森の中でも不自然なほど木々がなく、水源も近くにあって生活するにも工事を行うにもぴったりだったのだ。
そしてその整地を行っていたのが……。
「ギー!」
「グオォオオオオ」
「ギーギー!」
「キュオオオオオン」
大小様々な魔物たちだった。
すでに一度ゴブリンの他にコボルトやオークなどもテイムはしていたが、今回は数が桁違いに多くなっていたのだ。
「まあ、責任は取らないとね……」
きっとここに来ればテイムを受けて仲間になれると聞いてきた魔物たちだ。
魔物たちが集まるのにも理由があった。
テイムはテイムする側にもされる側にも一定のメリットがあるからだ。
まずテイムする側、俺はテイムした魔物からその力の一部を受け取ることができる。
別に力を奪うわけでもなく、例えば馬をテイムすれば脚が少し早くなるとか、そういう類だった。
そしてテイムされた側のメリット。それも俺から力の一部を受け取ることができるというものだった。
テイマーの魔力が元になって新たな力に目覚めると言われている。
その証拠に、先行部隊のゴブリンたちは体つきがふた回りほど大きくなり、ほとんどがホブゴブリンへ進化を果たしていた。
「兄さん、提案ですが……」
魔物の大群を見てシャナルが言う。
「ん?」
「半分……いえ三割……も無理ですね……一割……いけるでしょうか……」
「何を言ってるんだ?」
ぶつぶつ何かを唱え始めたシャナル。
しばらくそうしていた後、シャナルから提案の内容が告げられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます