第44話クリスマスプレゼント

 リカちゃん、10歳、今日はクリスマス

サンタさんのプレゼントを期待しつつ、ベッドに入った

「サンタさん、私、きれいなマフラーが欲しいなぁ」

リカちゃん、あまり欲がないのか、高望みしない子

 サンタさんなら、マフラーくらいお手の物だろう


すやすや、リカちゃんは眠った

夢の中では王子様とダンスを踊っている

タラリラ~、ラリラリラ~、ルルル~🎵

お城のオーケストラがリカちゃんと王子様の踊りを引き立てる


リカちゃん、夢の中で幸せの絶頂だったその時、

ゴソゴソ、ゴソゴソ、と音がした

リカちゃん、はっと夢から醒めると、なんと目の前には

赤い鼻のトナカイが、プレゼントの箱を持って突っ立っていた


リカちゃん、夢の続きが台なしにされ、プンプン

「あんた、どういうつもりよ、なんで人の部屋に勝手に入ってるの?」

リカちゃんが冷たく問い詰めると、トナカイ、困った顔で

「リカちゃん、ごめんよ

実はサンタさんが腰痛で仕事できないから、私が代わりにプレゼント配ってるんだ」

トナカイが困った顔で弁明すると

リカちゃん、それは置いといて、と我に返った

「それはそうと、その手に持っているのもしかして、プレゼント?」

トナカイはそれを聞くとニンマリと笑いつつ、答えた

「そうだよ、リカちゃんのお気に入りのプレゼントだよ」

というと、トナカイ、前足でリカちゃんにプレゼントを渡した

リカちゃん、プレゼントの箱のリボンをいそいそと外し、中を見た


そこにはクマのぬいぐるみが入っていた

リカちゃん、「え~」っと叫び、イヤイヤをした

「ちょっと、私のリクエストはマフラーよ、きれいなマフラー

なんでクマのぬいぐるみなのよ」

トナカイ、それを聞くとガッカリしたが、一応、クマの説明をする

「リカちゃん、このクマ、しゃべるんだよ。最新式のAIを搭載してるよ」

リカちゃん、それを聞くと、「ふ~ん」と言いつつちょっと興味を持った


「今晩は、クマさん、はじめまして」

とリカちゃんが言うと、クマさんしゃべり出す

「なんや、べっぴんな嬢ちゃんやな。ワイはクマや、よろしくやで~」

リカちゃん、関西弁のクマにちょっと引きつつ、トナカイに言う

「ちょっとトナカイ、なんで関西弁のクマなのよ

全然クリスマスっぽくないじゃない」

トナカイ、困ったような、うれしいような顔を浮かべて言う

「でも、リカちゃん、このクマけっこうロマンチストなんだよ」

それを聞くと、クマ、大いに頷いて、言う

「そやで~、ワイはマロンチストやで~、がは、がは、がは」

もうコテコテの関西人である

リカちゃん、「あ~あ」といいつつも、ちょっと嬉しそう

なぜなら、リカちゃん、漫才が好きなので、本場の関西弁、ちょっとうらやましい


リカちゃん、それからしばらくクマと、語った

クマ、けっこういい奴だったので、リカちゃんすっかり気に入った

リカちゃん、トナカイに

「トナカイさん、さっきはゴメンね。私、このプレゼント大切にするよ

ありがとう」

トナカイはリカちゃんからのお礼にニコッと笑うと、「じゃあね」

と言って、去って行った


このクマさん、リカちゃんの話し相手として、活躍中である

サンタさんはトナカイの素晴らしい仕事っぷりに感動し、

来年もクリスマスはトナカイに任せて、有休をとるらしい



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