第29話ぐーすかキリコ

 キリコちゃん、10歳

今日もキリコちゃん、ぐーすかお昼寝

み~ん、み~ん、セミが鳴く中

神社のベンチに腰掛けながらぐーすか、ぐーすか

夏休みももうすぐ終わる

でも、キリコちゃん宿題全然やってない

ぐーすか、ぐーすか

キリコちゃんは夢を観ていた

夢の中で黒猫がたたずんでいる

「キリコ、宿題はやらないのかい?」

猫がそう言うとキリコちゃん簡潔に答えた

「やらない。めんど~だもん」

猫はあきれると、しょうがないなぁと言いながら

キリコちゃんの宿題を代わりにやってあげた

「こんなの簡単じゃないか」

猫がスラスラと宿題を終えていく

キリコちゃんがそのノートを観ると

肉球の跡がぺたぺたとついている

「猫ちゃん、肉球の跡をノートにつけてるだけじゃん」

「そうだよ。猫の観察日記だよ。よくできてるでしょ」

キリコちゃん「まぁ、いいか」と思って

そのまま肉球日記を先生に提出するつもりである

「自由研究って自由でないとね」

キリコちゃん、肉球日記を楽しげに眺めるのであった

猫も満足げににゃ~と鳴くと「じゃ~ね」といって去っていった


ふわぁ~。よく寝た

キリコちゃん目を覚ますとあたりを見回す

もう太陽が西に傾いている

周りを観るが、猫はいない

手元にある自由研究帖を観るとそこには肉球の跡が…

キリコちゃん、肉球を観ると満足げにニコッとして

宿題を終えたのであった

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