第27話物語をつむぐ男

 とある男、空想するのが趣味だった

仕事中、食事中、寝る前、入浴中。いたるところで、空想していた

ある壮大な物語の続きを今日も空想する

その物語とは、神と人間の戦いの日々である

あるとき、神は人間の傲慢なる態度を見て、その姿勢を改めるよう

人間に向かって無理難題を押し付けた

人間の代表である、とある女は、神の問題に対してあらゆる手段を使って

はむかった

その女は狡猾で、屁理屈をもって神に対した

神はある意味、無垢であった。だから人間の狡猾さを甘くみた

神の出す問題にその女は無理やり解答をこさえあげた

神対人間。その戦いは禅問答のように果てしない

という物語をとある男は空想していた

毎日、毎日、神から出題される問題を人間の代表が解いていく

果てしない、果てしない物語

そしてついに今日、神対人間の戦いが結末を迎える

神が問う「人間とは何か?」

それに対しての女の解答は「人間とは遊ぶ生き物である」

そう、神と人間との戦い。それは「遊び」なのであった

人間の遊び心が、人間を人間たらしめる

人類の発展は、遊び心とともにあるのである

とある男はこう物語を締めくくると、

遊び疲れて、静かに深い眠りについた



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