第25話魔法使い

 とある山奥に大魔法使いが住んでいた

この魔法使いのじーさん、短気なのが災いして友人などいなかった

今日も一日、じーさんの家を訪れる者などいないと思った矢先、

一人のわんぱく小僧がやってきた

この小僧、魔法使いをからかうべく、あらゆる罵倒をじーさんに浴びせる

「このおいぼれじじー、何もできないくせに、のうのうと生きてるんじゃねー」

魔法使いのじーさんは、これを聞いて切れまくった

「小僧、思い知るがいい。くらえ~」

そう言うと、じーさんは魔法の杖を振りかざし、魔法を放った

小僧が光に包まれると、あっという間にブタになった

「ぶひー、ぶひひー」

じーさんは、それを見るとニヤリと笑い、こう言った

「お前にはその姿が一番似合っとる。かわゆいではないか」

「ぶひー、ぶひー」そう言いながら小僧は帰っていった

そんなじーさんではあったが、2つ弱点があった

ひとつは魔法の効力が10分間しかもたないということである

その弱点を知るものはいない。なのでじーさんは大魔法使いと呼ばれ恐れられている

あと一つは、実は魔法でブタにすることしかできないのである

だから、じーさんが気に入らない者は、皆ブタにされ、10分後には元に戻った

この魔法、じーさんはいたく気に入っているのだが、滅多に使い道がない

なので、じーさんはこっそりと山奥で生活し、その弱点がバレないようにしている

大魔法使いのじーさん、今日も自分の魔法に大満足

幸せな日々を送っているのである



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