第18話こたつ猫

 とある冬の寒い晴れの日

猫が一匹こたつで丸くなっている

今日は日曜日なので飼い主も在宅である

猫が目を細めて気持ちよさげに眠っている

そこで飼い主、あまりに幸せそうな猫がうらやましくて

少しからかってみた

「おい、猫。食後にくつろいでいていいな。俺にも幸せを分けてくれ」

そう言うと飼い主は猫ののどをなでなでした

「ごろにゃー、にゃーごろ」

猫は少し目を覚ますと幸せそうにのどを鳴らす

飼い主は猫に少し幸せを分けてもらった

猫がゴロゴロのどを鳴らすのを聞くだけで癒される

こうして一日は過ぎていった

猫も飼い主も今日一日は何もしていない

なのにこの幸せ具合はなんだろう

そう、幸せとは何かをしていることではない

幸せであるという状態を満喫することこそが、真の幸せなのだ

だから、幸せを探しに動き回るのではなく

この一人と一匹のようにただただ現状を満喫しよう

それが幸せというものだ

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