第14話幸せとは

とある男、自分が幸せなのかいまいち自信がない

生活を最低限できるほどには稼いでいるし

友人がいないわけでもない

趣味もあり毎日は楽しくもある

しかし、何かが欠けている

それはなんだろう、自問する

考えに考えて、ある結論に達する

そうだ、私には使命がないのだ

世の中に貢献できるような高潔なる使命

男は社会で自分ができることを模索してみた

しかし、見当たらない

熟考してみたが、見当たらない

悩みに悩んでいると、とある声が頭の中で響いた

「そんなになやまなくとも、あなたは使命を全うしているよ」

誰だろう。謎の声は再びささやく

「あなたの使命とは、日常を無難に過ごすこと。それが一番大事」

「なぜなら、そうすることで世の中の経済は回り、治安維持に貢献することになる」

「無難に日常を乗り切るということは、それだけで大切なことだよ」

その声はそういうと瞬時に掻き消えて、男は独り取り残された

男は再び考えた。日常を乗り切るということの大切さについて

「そうか。私のような無害な人間が社会を円滑に動かす原動力となるのだ」

「日常がいかに貴重で大切なものかということが、身に染みて分かった」

男は謎の声に導かれて、日常の大切さを悟ったのである

一日、一日を大切にしよう。そうすれば、それは他の人にも良い影響を与える

男は、それからというもの、なにをするにしても、前向きになれたのである

悲観からは虚無が生まれ、楽観からは将来が生まれる




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