第10話魔人と少女
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!」
なんと魔人がツボの中から飛び出てきた
「なによ。呼んでないわよ」
少女は魔人を邪険に扱うと、ツボをたたき割ろうとした
「待って、待って、お嬢ちゃん、話を聞いて」
魔人は必死に懇願した。少女はツボを降ろすと魔人を見上げた
「お嬢ちゃん、願いをなんでもかなえてあげるよ。言ってごらん」
「そうねぇ、じゃあ骨付きチキンが食べたい。早く出して」
「お嬢ちゃん、ちょっと待ってて、今ケンタッキー行って来るから」
「なによ。魔人のくせに、すぐ出せないの。役立たず」
そういうと、少女はまたツボをたたき割ろうとした
「待って、待って、お嬢ちゃん、別の願いにして」
「しょうがないわね。じゃあ私をお姫様にして。早く。」
「お嬢ちゃん、ちょっと待ってて、とある王国を占領してくるから
時間かかるけどいいかな、一年くらいで占領してくるから」
「なによ。いい加減にして。私はすぐに願いをかなえたいの。もういいわ」
すると、また少女はツボを割ろうとした
「待って、待って、お嬢ちゃん、分かった。次の願いはすぐにかなえるから」
「じゃあ、私に花婿さんを紹介して。すぐに結婚したい」
「それはお安い御用だ。いいでしょう」
すると、魔人は覆面をとって、顔をさらした。イケメンであった
「私があなたの結婚相手になりましょう。」
魔人はそういうと手を差し出し握手を求めた
少女ははじめてにっこり笑い、答えた
「しょうがないわね。役立たずの魔人だけど、顔だけはいいわ
そうね。それで勘弁してあげる」
そういうと魔人の手を取り、ほほ笑んだ
この少女、大人になってからこの魔人と結婚し、たいそう幸せに暮らした
魔人はというと、手品師として財をなし、裕福な家庭にした
この魔人、いまいち魔法が使えないが、そんなもの使えなくとも
とある少女を幸せにした。そう、祝福の大魔神である
あなたの家にあるツボにも祝福の魔人が潜んでいるかもしれない
くれぐれも割ることのないように、大切に扱おう。大切に大切に
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