「真尋さん、女装の時って自然な高い声で喋るよね。あれ、すごい」


「………声。…………えぇーっとぉ、こんなかんじぃー?」


「かわいい。普段の声も落ち着きがあって綺麗で清浄しい感じだけど、高い声も緩くて甘くて可愛い!何でそんな声でるの可愛い!」


「何でって、……練習したから?難しくないけど伸びるね」


「そうなの?わざとじゃないんだ、可愛い喋り方」


「普通にちょっと喉は痛い」


「聞いてると自然なのに!だって真尋さんえっちな声も高……いや、なし!何でもないです!絶対今なにかド直球なこと言おうとしたでしょ?ハートが撃ち抜かれて深刻なダメージを負うから!ノーカンで!!」


「………」


「………」


「……聞きたいの?」


「あああああほんと色気!色気の権化!!!」


「酒井くんの声は…………………すき?」


「………………ッ???!!!」


「どんなのも嫌じゃない。うーん?何って形容できるのかわからない。好き」


「……撃ち抜かれた!!!完全に!!!ここが天国!!!!!」


「うるさい」


「でも嫌じゃない?」


「そもそも嫌だったら話してるわけないし」


「…………。トキメキで窒息して言葉を失ったけど絶対に取り戻すだって好きって言われたし!」


「………っ、あはは」


「ああもうそんな無防備に笑うレアな真尋さんが可愛いし可愛いし可愛いし尊い……完敗」

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