カッコイイの定義(pillow talk)

「真尋さん、この前俺のこと格好いいって言ってくれたじゃん」


「うんまあ」


「それって具体的に、何?どんな?」


「具体的に?」


「どういうとこがカッコイイって思ってくれてるのかなって……」


「どんなって言ったって…」


「やっぱ、そんなとこないのかなーあはは」


「そういう意味じゃなくて」


「うん……」


「じゃあさ、酒井くんはいつも俺のこと可愛いとか綺麗とかいうけど、なんで?」


「真尋さんが世界一可愛いし綺麗だから」


「具体的に」


「えっ、顔、めちゃくちゃ綺麗だし。お肌もサラサラスベスベだし。メイクしてると派手なぱっちりおめめが、すっぴんだとちょっと柔らかくて可愛いし。眠くなると二重になるのもっと可愛いし。頑張り屋だし。気遣いすごいし。几帳面だし。かと思ったらハンパなく優しいし。照れて素っ気なくなるのに後で落ち込んでるのとか……」


「もういい」


「ほら、可愛い!」


「じゃなくて!それじゃさ、酒井くんが言ったその可愛いと綺麗が無かったとしたら?」


「え?なかったら??意味わからん。なかったら、真尋さんじゃないよ?」


「……それと同じ」


「同じって?」


「具体的に何がどうだから格好いいんじゃなくて、敬也だから格好いいって言ってんの」


「………」


「何で、なんて俺にもわからないし。ただ、敬也くんだから、安心するし、頼りになるし、格好いいなーって思うってこと!」


「………それって、世界一愛されてる?」


「知らんし」


「俺は世界一真尋さんのこと好きだよ?」


「うん、知ってる。じゃなかったら、嫌い」

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