ゆめのしま【第一倉庫】

このさき。（pillow talk）

「ねぇ、真尋さん……机の上にブライダル雑誌あったの、あれ何？もしかして、結婚しちゃう？」

「ああ。職場の同僚……」

「職場結婚！！」

「違う。同僚が結婚するから、ちょっとしたリサーチ！」

「ど、同僚とではなく？」

「俺がするわけないだろ」

「ほんと？」

「酒井くんがいるのに」

「………」

「そんな不誠実じゃないし」

「知ってる！ゴメン、真尋さん」

「でもいつか、酒井くんも結婚したくなるのかな」

「真尋さんとなら喜んで？」

「じゃなくて、普通に」

「……？」

「結婚して、子供に囲まれて」

「なんで？」

「周り見てたら、羨ましいかも」

「真尋さん、今はそういう時代じゃないよ」

「でも」

「だいたい、真尋さんと付き合ってなくても、他の人と付き合ったかすらわからないし。女の子かもわからないし。もし女の子と付き合っても、その子が結婚したいか、子供欲しいかもわかんないじゃん」

「………」

「もしかしたら、ずっと、一生、誰もいなくて一人かも」

「………」

「かわいそうな俺を真尋さんの可愛いで幸せにして欲しいなー」

「………それで、いいの？」

「何より最高な人生！」

「ほんとに？」

「当たり前です」

「………あのさぁ」

「うん？」

「もう始まってる。……その最高」