(三)‐9
近くの看護師に聞くと、地下に行くように案内された。手渡された手書きの地図の場所へと向かった。
その場所の入口の扉の上には「霊安室」とあった。郁雄は扉を開けた。部屋の真ん中の台があった。その台を取り囲んで、年配の男女が涙を流していた。
郁雄は部屋に入った。台に近づいた。涙を流していたのは恵美の両親だった。まさかと思った。台の上を見た。人が横たわっていた。顔には白い布が被せられていた。
恵美の父親が郁雄に気づき、「郁雄君も見てやって下さい」と言いながら、顔に掛けられた白い布を取り去った。顔の生気をすっかり失った恵美が、目を閉じていた。
(続く)
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