(三)‐6

 恵美からは入院が長引きそう都の話があった。検査の結果、追加の検査が必要になったそうだ。郁雄は新しい日常の疲れもあり、恵美の言葉をそのまま受け入れていた。

 六月上旬頃、生活もようやく落ち着きを取り戻した。仕事にはまだ慣れていなかったものの、余裕は出てきた。疲れを感じながらも、郁雄は恵美の病院へ久々にやってきた。

 自分のことが落ち着くと、長引いている恵美の入院のことに気が回るようになり、急に心配になってきたのだった。でも同時にようやく恵美に会える。そう考えると、疲れも感じなくて済むだけでなく、うれしさがこみ上げてきた。ここ一ヶ月ほどの大変な事態も乗り越えられると思った。とにかく会いたい、その一心だった。


(続く)

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