(三)‐5

 後日、木野から紹介されたファイナートセキュリティの担当者から連絡があった。国内有数の美術品オークションサイトに出品したという。高校と大学在籍中に描いた一三枚の絵は、そこそこの金額で売れた。そして出品登録料と代行手数料を差し引いた金額を郁雄は受け取った。その額は一万四五〇〇円であった。

 想像以上の低い金額にショックを受けた。とはいえやむを得ず、郁雄はアルバイトをして生計を立てることにした。新しい生活は慣れるのに大変だった。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る