(二)‐11
当初はベッドの上でも元気であったが、強い薬を使うことになり、数週間彼女と面会できない時期があった。
その後、郁雄は会いに行ったものの、さらにしばらく会うことができなかった。メッセージアプリで理由を尋ねると「会いたくない」とのことだった。「ごめんね、しばらくは無理なの」とも添えられていた。
郁雄はきっと医者に止められているのだろうと軽く思っていた。しかし、実際は違っていた。
一ヶ月して、ようやく彼女と会うこととなった。病室に入り、郁雄は驚いた。彼女が伸ばしていた、正確には切る機会に恵まれてなかった髪が、すっかり失われてしまっていたからだ。代わりにかなり短いショートカットというよりもスポーツ刈りほどに短くなっていた。薬の副作用だった。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます