四月某日、東京に雪

流々(るる)

足跡

「嘘だろ……」


 手袋をはめたまま玄関扉を開けた俺はそのまま立ちすくんだ。

 今日は天気予報を見る余裕なんてなかった。


 積もり始めた雪はやみそうにない。


 ここまで周到に用意したアリバイ工作は何だったんだ。

 振り返るとリビングで横たわる佐伯の死体が、こちらを向いて笑っているように見えた。

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四月某日、東京に雪 流々(るる) @ballgag

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