第389話 ボルの人界征服編 パート2
俺は転移魔法を使ってオーシャンをケルト王国へ転移させた。オーシャンはケルト王国の首都であるガリアの町のケルト城に転移した。
オーシャンは、ケルト王国の立て直しを図るために会議を行っていたダグザとクーフーリンの目の前に突然!姿を現したのである。
「お前達がケルト王国を支配しているのだな!」
オーシャンは、1人でケルト王国を滅ぼすと意気込んでいたので、この場所に転移を希望したのである。
「もしかして・・・神人様ですか?」
ダグザはプロメーテウスと似たような姿をしたオーシャンを見て、神人だと察知したのである。
「俺のことを神人とすぐにわかると言うことは、お前はプロメーテウスに力をもらった人間だな」
「はい。そうです」
「それなら話が早い。この国は神人最強のボル様が支配することになった」
「どういう事ですか?この国はもう2度と争いを起こさないと決めたのです」
「それなら安心しろ。人界はボル様が支配した後は、人間ごとき矮小な生き物は全て消去する。だからもう争いなど起こらない」
オーシャンは淡々と答える。
オーシャンの言葉を聞いたダグザは、恐ろしさにあまり声も出ずにブルブルと震えていた。
「この城はボル様が使うことになるから、お前達はすぐに城から立ち去れ。そして、国中に報告するのだ。この国は神人であるボル様の支配下になったと!そして、人界がボル様の支配下になるまでの短い余生を存分に恐怖に慄いて過ごすと良いと」
「ふざけるな!」
側でおとなしく聞いていたクーフーリンが、巨人化してオーシャンに向かって飛びかかる。
「巨人化の能力か・・・」
クーフーリンは、オーシャンに激しいタックルをかました。オーシャンは吹き飛び壁に弾き飛ばされる。
「ひねり潰してやる」
クーフーリンはオーシャンを両手で掴み強く握りしめる。
「こんなものなのか・・・神人が人間に力を与えてもこれくらいのことしかできないのだな」
オーシャンは、クーフーリンの両手の掌の中でため息をついた。
「死ねーーー」
クーフーリンは持てる力を全て注ぎ込みオーシャンを握り潰そうとした。
『ビッグウェーブ』
クーフーリンの手の中から大きな津波が発生した。大きな波はクーフーリンの手を破壊して、クーフーリンを飲み込んだ。
ものすごい水圧に晒されたクーフーリンの体は、跡形のなく圧縮されて、その場に何も残らなかった。
「お前も俺と戦うのか?」
オーシャンのあまりの強さにダグザは声も出すこともできない。
「・・・」
「恐ろしくて声も出ないのか・・・もうよい。俺がさっき行った事報告してこい」
ダグザは逃げるように城を出て行ったのである。そして、ガリアの町の住人にすぐに逃げるように指示を出したのである。
4時間後。
「ボル様、ケルト王国は私が制圧しました」
「そうか。呆気ないものだな」
「はい。人間ごとき矮小な生き物が、人界で生きているのが不思議なくらいです。私が全ての人間を排除致しましょうか?」
「そうだな。このまま『ホロスコープ星国』もお前に任せるとするか」
「はい。ぜひとも私にお任せください」
「待て、俺にも遊ばせろ」
「フレイム、お前はおとなしくしていろ」
オーシャンが声を荒げる。
「ボル様、納得がいきません。オーシャンばかり遊ばせるのは平等ではないと思います」
「好きにしたらいい」
「わかりました。好きにさせてもらいます。ナレッジ、いますぐ俺を『ホロスコープ星国』に送れ」
「無理です」
俺は一日何度も転送をできるほど魔力量は多くないのである。それに、いつ何時何が起こるからわからないので、無駄に魔力を消費したくないのである。
「なぜだ」
フレイムは燃えるような赤い瞳で俺にガンを飛ばす。
「フレイム、ナレッジを休ませてやれ。ナレッジは、しょぼいほどの魔力しか持ち合わせていないのだ。『ホロスコープ星国』に行くのは明日にしろ」
「わかりました。ナレッジ・・・ほんとお前は使えない奴だな!」
フレイムは吐き捨てるように言った。
「ムーンはどこへ行ったのだ?」
ボルはムーンの姿が見えないことに気づいた。
「あいつめ、先に『ホロスコープ星国』に向かったな!」
ムーンは2番手にケルト王国へ転移された。しかし、すでにオーシャンによってケルト王国は支配されていたので、すぐに『ホロスコープ星国』へと向かったのであった。
「いいではないか!ムーンも力を持て余しているのだろう。面白くなってきたな」
嬉しそうにボルは笑うが、『一天四神』の残りの3人は面白くなそうである。
「俺も今すぐに向かうぜ!」
「俺もだ」
「抜け駆けは許さねえぜ」
オーシャン達は、翼を羽ばたかせて『ホロスコープ星国」に向かった。
「バカな奴らだ。そんなに焦らなくても、明日になればナレッジの力で簡単に転移できるのにな」
ボルは3人を止めることなく嘲るように3人の姿を見て笑うのであった。
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