第357話 魔石国家ケルト王国編 パート27
「ブリードに何が起こったのだ!!!」
目の前で、いきなり血しぶきが上がり一面が血の海となった。そして、透明になっていたブリードの胴体が姿を現した。そして、下半身だけのせた馬が血を滴り落としながら走っている。
クーフーリンはブリートの死体に近寄ろうとする。
「国境を越えると敵だと判断しまよ」
クーフーリンの前にアプロスが姿を見せる。
「神人様ですか?」
「そうですわ。私の名はアプロス、アプロディーテー様の指示によりキュテラ教国を守りにきたのです。あなたはプロメーテウスに能力をもらった神の子ね!」
「プロメーテウス???」
「確か・・・人界ではテウスと名乗っていたかしら?」
「テウス様なら知っています。私はテウス様から力を授かりました」
「テウスは、人界で派手に暴れすぎたのよ。アプロディーテー様を崇める民の国キュテラ教国を滅ぼすなんて、愚かな企みをしたのがアプロディーテ様の怒りをかったのよ。これ以上の侵略は許すことはできないわ」
「許してください。すぐに兵を率いて撤退します」
クーフーリンは頭を下げてお願いする。
「わかりました。もし、次にキュテラ教国に剣を向ければ、ケルト王国は私が滅ぼすとテウスに言ってくれるかしら?」
「わかりました」
クーフーリンは全軍を撤退させた。そして、その光景を見た兵士たちは、神の奇跡が起こったと騒ぎ出し2度とキュテラ教国に攻めることはしないと思ったのである。
⭐️ガリアの町ケルト城の王の間にて。
「ダグザ、そんなに慌てて何があったのか?」
「テウス様お戻りになっていたのですか。実はオグマが地底国家に連れ去れました」
「地底国家だと・・・地底国家がなぜオグマを連れ去るのだ?」
「地底国家に迷惑をかけたということで、地底国家に連れて行かれました」
「オグマには最高級の魔石具を与えたはずだ。しかも、巨人族の力を使えば人界でオグマに勝てる者などいないはずだ」
「私もそう思っていました。しかし、リヴァイアサンという竜人族の女性が、オグマを簡単に倒してしまったのです」
「竜人族だと・・・なぜ、竜人族がこの町にいるのだ!」
「私にもわかりません。しかし、『ホロスコープ星国』の少年が言うには、イベリアの村の井戸の水を毒で汚染させたのが、地底人の怒りをかったみたいです」
「地底人が竜人族に助けを求めたのであろう・・・竜人族と揉めるのは今はやめておく」
「では、オグマはどうするのですか?」
「放っておく。今はキュテラ教国とホロスコープ星国を滅ぼすことが先だ」
「ホロスコープ星国のことですが、テウス様にお会いしたいという人物がいます」
「星の使徒と呼ばれる能力者か?」
「いえ違います、身なりの良い少年です」
「なぜ、俺がガキの相手をしないといけないのだ。お前が要件を聞いてこい」
「いえ、ただの少年ではありません。リプロという少年は、ホロスコープ星国最強の魔法使いであるフェニという女の子の師匠だそうです。私は、フェニという女の子に手も足も出せずに惨敗いたしました。なので、かなりの強敵だと思います。それに竜人族とも仲良くしていましたので、お会いになった方がよろしいと思います」
ダグザは頭を下げてお願いした。
「お前を簡単に倒すほどのやつがいるとは驚きだ。面白い、お前を倒した奴の師匠という人物に会ってみようではないか。使えそうな奴ならオグマの代わりになってもらおうではないか!」
プロメーテウスは嬉しそうに言った。
「テウス様、大変です。女神の奇跡が起きました!」
クーフーリンが戻ってきた。
「何事だ!」
「女神の奇跡が起きたのです」
「詳しく説明しろ」
プロメーテウスは怒鳴りつける。
クーフーリンはキュテラ教国の国境での出来事を説明した。
「アプロスと名乗ったのだな」
「そうです」
「やばいな・・・しかし、なぜブリードも一緒にいたのだ?俺はお前の部隊に、様子を伺いに行けと言ったはずだ」
「ブリードは手柄をあげたいと思っていたのです。だから、私の部隊に同行してキュテラ教国を滅ぼそうとしたのです」
「それで返り討ちにあって死んだのだな」
「はい。申し訳ありません」
「お前らが束になってもアプロスに勝てるはずがない。しかも、アプロスが本気を出せばこの国も滅んでしまうぞ」
「テウス様でもかなわいのですか?」
「アプロスは天界の3神嬢の1人だ。あいつに関わるのは危険すぎるのだ」
「わかりました」
クーフーリンが頭を下げる。
「今からホロスコープ星国のガキを闘技場に呼んでこい!ガキの力量を見てやろう。どうせ大したことないだろうぜ」
「テウス様と比べたらそうかもしれません」
ダグザは頭を下げて言った。
「クーフーリン、ダグザがそのガキの弟子にやられたらしい。その弟子の相手をお前がやれ」
「わかりました」
プロメーテウスは、リプロと話などするつもりはない。自分の道具になるかならないか判断したいだけであった。
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