第264話 ホロスコープ星国 パート41
「無事に依頼達成しました」
私は、カペラの町へ戻ってきて、ポルックスの屋敷にいた。
「詳しいことはレオから聞きました。フェニさんのおかげで、レジスタンスも無事に活動を再開することできます。しかも、レオとキャンサーまで仲間にするなんて、大活躍ですね」
ポルックスが嬉しそうに言った。
「報酬はどうなるのですか」
褒めるよりも金をくれと言わんばかりに、報酬をおねだりする私であった。
「もちろん報酬は、倍の金額を用意するつもりです。それだけことをしてくれました」
ポルックスは満足げに言った。
「倍ですか!!!」
私のニヤけた顔が戻らない。ついでにヨダレまで出てしまう始末であった。
「レオ、私達に協力してくれるのですか?」
ポルックスの屋敷には、私とレオそしてキャンサーが居た。ピスケスとサジタリウスは、タラウスを監視しているのであった。
「俺はフェニちゃんに従うまでだ」
レオの忠誠心は強い。
「俺もだぜ」
もちろんキャンサーも同じである。
「フェニちゃん、私達に協力してください」
ポルックスは、私に頭を下げてお願いした。
「何を協力するのですか?」
私は、フレキのように、みんなで仲良く暮らせる世界を目指しいる。ホロスコープ星国は、『星の使徒』を中心とした独裁国家であり、能力のない者を虐げる、パースリの街のような国だとドラキュンから聞いていた。なので、当初はホロスコープ星国の現状を確かめるために、王都シリウスを目指していた。
「革命を起こすのに協力して欲しいのです」
ポルックスは、私の手を握りしめて言った。
「革命・・・どんなことをするのですか?」
私は革命と言われても、あまり理解できないのであった。
「みんなで協力して、ジェミニ王を捕らえるのです。そして、『星の使徒』を中心としたこの国の政治を変えるのです」
ポルックスの瞳は太陽にように燃えていた。
「ライちゃんはどう思うのですか?」
私は、レオに意見を聞いてみることにした。
「所詮、力が全てです。力のない者は力のある者に逆らうことはできないのです。私は力のあるフェニちゃんに従うまでです」
力が全て・・・それがレオの信念である。
「レオの言う通りかもしれません。力がないと革命もできません。しかし、力のある者は、その力に溺れずに、力のない者に手を差し伸べるのが、私の考えであります」
ポルックスは、レオの意見を肯定も否定もできない。
「フェニちゃんはどうしたいのですか?」
レオが私に意見を求める。
「みんなで仲良くしたらいいのです。そのほうが楽しいです」
私の考えは単純である。仲良くするのが1番いいと思っている。
「フェニちゃん、みんなが仲良くできないから、争いは起こるのです。大多数の人は、争いを好みません。しかし、一部の自己の欲望が強い者が、富や権力を独占して、自分たちは特別な存在だと思い、人々を支配するのです」
レオは、冷静にホロスコープ星国を分析して語る。
「難しいですね・・・」
私は自分の浅はかな考えを反省した。
「私は思うのです。フェニちゃんが国王になればいいのです。力のあるものが、全てを決める権利があるのです」
レオは、私を崇めるように言う。
「それはいい考えだと思います」
ポルックスも賛同する。
「私が国王ですか!!!」
私は、レオのとんでもない発案に、びっくりして目を回してしまう。
「フェニちゃん、ぜひ俺達の王になってください」
キャンサーが、私に跪いてお願いする。
「わかりました。私がこの国の王になります」
私は基本無計画である。色々考えるのが面倒なので、みんなの案にのっかかるのであった。
「ポルックス様、レジスタンの使いの者が来ています」
屋敷の兵士が、レジスタンスの使いの者を連れ来た。
「今日はどのようなことで、こられたのですか?」
ポルックスは丁寧に対応する。
「ワラキア様から手紙を預かっています」
使いの者はポルックスに手紙を差し出す。
手紙の内容は、革命を起こすために、手始めとして、アケルナルの町で幽閉されている、ヴァルゴを救出しましょうとのことだった。
「フェニちゃん、アケルナルの町へ向かいましょう」
ポルックスは、手紙の内容をみんなに説明して、革命の第一歩を進むことにしたのであった。
「ヴァルゴの『魅惑』の力が必要なのだな」
レオは、冷静に答える。
「どんな力なのですか?」
私は、なぜ『魅惑』の力が必要なのかわかっていない。
「王国の軍は、王の支配下にあります。しかし、今のホロスコープ星国の現状を望んでいない兵士は大多数いるのです。兵士達は、安い賃金で奴隷のように扱われています。なので、ヴァルゴの『魅惑』の能力を使って、本来抱いている不満を爆発させて、私たちの仲間に加えるのです。ヴァルゴの『魅惑』は完全に人を支配するのではなく、心の中にある本心に語りかけ、その人の心に中にある内なる心を解放させて、人を先導する力なのです。なので、ジェミニ王はヴァルゴの力を恐れて、アケルナルの町に幽閉しているのです」
「なんとなくわかりました」
レオの話が長いので、私は途中で眠たくなってきたのである。しかし、ヴァルゴを救うことが革命につながると曖昧に理解したのであった。
「私は、この町から離れることはできませんので、ヴェルゴの救出をお願いします」
ポルックスは頭を下げて、私にお願いをした。
「わかりました」
私は元気よく返事をした。今回はお金が発生しないが、私はこの国のために、無償で頑張ることを決意したのであった。
「フェニちゃん、アケルナルの町に行く前に、アダラの村に寄ってください。そこでワラキアの指示に従ってください。そして、アダルの村にも美味しいパン屋さんがあるので、食事も堪能してください」
ポルックスは、私のことを理解していた。ポルックスは美味しいパンが食べれるように、美味しいパン屋の地図を、私に渡してくれたのであった。
「やったぁーー」
私は、雲にも届くような大きなジャンプをして、喜んだのであった。
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