第228話 ホロスコープ星国 パート5
「この森に何しにきたの?」
ブラックウルフがライフォンに問いかける。
「ブラックウルフか・・・お前ら雑魚にはようはない」
「この森は、ウルフキング様のナワバリだよーー。勝手に入ったら怒らるよん」
ブラックウルフが可愛く威嚇する。
「お前らごときがいくら吠えようが、何も怖くないぞ。それに、ここにいらっしゃるお方を誰だと思っている」
ライファンはグリフォンを指さす。
「鷲のお化けかな?」
「ライオンのお化けかな?」
ブラックウルフたちはグルフォンを知らないらしい。
「違うわーーー」
ライフォンが怒鳴る。
「あれはワシライオンなのだ。ワシなのに空を飛べないし、ライオンなのに鋭い牙もない中途半端な魔獣なのだ」
知恵者のブラックウルフが言った。
「違うわーーー」
ライフォンがマジで怒鳴る。
「じゃぁ、誰なのですか???」
ブラックウルフは聞いた。
「このお方は、魔獣討伐ランクC3ランクに認定されているグルフォン様である。お前らのようの雑魚魔獣が対等に声をかけることなんて、できないほど偉大な方なのだ」
ライフォンが力強くいった。しかし、グリフォンは誰も自分のことを知らないので落ち込んでいる。
「俺・・・知名度低いんだね」
グリフォンは小さくつぶやいた。
「お前らのせいで、グリフォン様がしょんぼりされただろう。今日ここで覚えたことは、森の仲間達にきちんと伝えるのだぞ」
ライフォンが力強く言った。
「はい、はい」
ブラックウルフは、空気を読み取って軽く返事をした。
「さて、本題に入ろう。この森は今日からグリフォン様の支配下になることになった。お前たちの主人はウルフキングから、グリフォン様になるのだ。このことをこの森の全ての魔獣に伝えるがよい」
ライフォンは偉そうに言った。
「えーーーー」
「それは無理やわ」
「グリチャンは、ウルフキング様に勝てるわけがないよー」
ブラックウルフが口々に言った。
「なんだと!たかがベアーウルフごときが、グリフォン様に勝てるはずがないだろう」
ライフォンが雄叫びをあげる。
「ウルフキング様はベアーウルフじゃないよーーだ」
「なら、どんな魔獣なのだ」
ライフォンは少し怯えていた。
「ウルフキング様は、白い毛並みの美しいウルフだよ。でも、僕たちウルフ族でもないだよ」
「そうなのか・・・でもベアーウルフが少し強くなったくらいのレベルだよな」
ライフォンの足が震え出した。
「全然違うよ。ウルフキング様には、ベアーウルフが何体いても勝つのは不可能だよ」
「マジか!!」
ライフォンの震えが止まらない。
「グリフォン様・・・どうしましょう」
「今日は体調がイマイチだ。グリの森へ一旦引き返そう」
グリフォンとライフォンは、ブラックウルフの話を聞いて怖くなり森から逃げ出したのであった。
★フェニ視点に戻ります。
「この辺りに侵入者がいてるはずです」
フレキが言った。
「どこにも、変わった魔獣はいてないみたいだよ・・・・あっ!向こうにブラックウルフがいてるよ」
フェニはブラックウルフの群れに気付いた。
「少し話を聞いてみよう」
フレキはブラックウルフの元へ言った。
「お前たち、この辺で変わった魔獣を見ませんでしたか」
「ウルフキング様ですか?なぜ人間の姿をしているのですか?」
ブラックウルフは、質問を質問で返した。
「私は、このフェニという女の子と旅に出ることにしたのです。しかし、その前にこの森に侵入した魔獣を見つけ出したいのです」
「さっきグリちゃんという、鷲とライオンが合体した魔獣が、ウルフキング様を訪ねてきたけど、調子が悪いと言って帰っていったよ」
ブラックウルフは、ありのままを答えた。
「グリちゃん・・・聞いたことのない魔獣です。でも、この森から出て行ったのならよかったです。確かに小さな魔力がこの森から消えた気がします。でも、もう一つ、この森に生息していない魔力を感じます」
「ウルフキング様、僕たちがその魔獣を探してきますよ」
「そうですね。お願いできるかしら」
フレキは優し声をかける
「任せてください」
ブラックウルフは元気よく答えた。
「勝手に入ってごめんなさい」
怯えた姿でキマイラが泣きながら現れた。キマイラは、フレキの魔力の大きさにビビって、森の中で隠れていたが、逃げることはできないと思って自ら姿を出した。
「あなたは誰なの?」
フレキが問いかける。
「私はキマイラと言います。かなり強いと有名の魔獣です」
キマイラもプライドがある。泣きながらも自分は普通の魔獣より強いことをアピールした。
「そうなのですか。キマイラさんはこの森に何しにきたのですか?」
フレキが問いかける。
「ちょっと、お散歩しているだけです。決してこの森に美味しい果物があると聞いて、果物を奪いにきたわけではないのです」
グリフォン、キマイラはこのウルフの森には、美味しい果物がたくさんあるとカプリコーンに騙されて、この森に侵入したのであった。
「キマイラさん、この森には果物はほとんどありませんが、あなたに敵意がないのなら、のんびりと散歩する許可を与えます。しかし、決してウルフ達に危害を与えないでくださいね」
フレキが優しく言った。
「もちろんです」
キマイラは背筋をピーンと張って言った。
「これで、侵入者は確認できたわ。私は今からこの森を出て旅に出ます。みんなで仲良く過ごすのよ」
フレキはそう言って、私と一緒に森を出るのであった。
「あんな化け物がこの森を支配していたのか・・・でもあいつは旅に出ると言ったよな。それならこの森はキマイラ様の森にしてやるぜ」
フレキの姿が見えなくなると悪い顔になるキマイラであった。
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