第220話 神守聖王国オリュンポス パート29
私たちの出店の次に、大勢の人が行列を作っていたのが、王国騎士団の出店であった。王国騎士団の出店に並んでいるお客さんの8割以上は、ジュノとフレイヤのファンであった。ジュノはピンク色の髪から栗色の髪に戻していた。ジュノは女性のように長い綺麗いな栗色の髪で、女性のように美しい容姿をしているので、女性だけでなく男性のファンもとても多かった。
フレイヤは、セミロングの金色の髪で、とても美しい女性なので、男性のファンも多いが、王国騎士団の団長で、剣の腕、魔法のスキルなど、どれをとってもずば抜けて強くてカッコいいので、女性のファンも多い。
なので、ジュノとフレイアの応援の為に、たくさんのファンが行列を作っていたのであった。
ジュノとフレイヤもそのことはわかっていたので、フィッシュフライを買ってくれてたお客さんには、お礼として握手をしていたのであった。
この握手作戦がかなり功を奏して、ジュノとフレイヤと握手ができると聞いた王都の市民は、こぞって王国騎士団の出店に並んだのであった。そして、何度も握手をしたいファンは、何度も行列に並ぶのであった。
「ジュノ、相変わらず男性にも人気があるのね」
フレイヤがジュノをからかう。
「フレイヤ様こそ、女性にも大人気ですね」
ジュノが対抗する。
「2人ともくだらないおしゃべりはやめて、接客に専念してください」
フッシュフライを作っているのは、深く帽子をかぶったアレスであった。
アレスは、公的には死んでいるので、表に出ることはできない。しかし少しでもジュノの近くに居たいので、出店の応援にきていたのであった。
「アレス、ジュノを他の男性に取られてもいいのかしら」
フレイヤが、次はアレスをからかう。
「問題ありません。私とジュノチンの絆はそんな簡単に壊れることはありません」
アレスは誇らしげに言った。
「本当にそうかしら、さっきイケメンのお客様と握手をしていた時、ジュノは嬉しそうにしていたわ」
フレイヤは、不敵な笑みを浮かべて言った。
「ジュノチン!!!本当なの?浮気はしないと言ったじゃないの」
アレスは動揺している。
「アレス・・・フレイア様のいつも冗談だろ。それに俺は男性への興味はない」
キッパリとジュノは言う。
「ジュノチンの言葉を信じるわ」
アレスがジュノを信じることにした。
フレイヤ達が、冗談を言って店内で騒いでいた頃、大広場で大騒ぎが起こっていた。
「ジュピター王子が戻ってきたぞ」
「本当だ!」
「でも王子は、今まで何をしていたのだろう」
王都の大広場は騒ついていた。
ジュピターは『雲朕』に連れられて、やっと王都に帰還したのであった。
「ジュピター、やっと王都についたな。ワハハハハ」
アルテミスが大声で笑う。
「お前の方向音痴のせいで、2日で帰れるところが、1週間以上かかったじゃないか」
ジュピターが大声で怒鳴る。
「帰ってこられたから、いいじゃないか。俺がいなければ、お前はディービルの森で死んでいたのだぞ。ワハハハハ」
アルテミスが大声で笑う。
「・・・」
ジュピターは、何も言い返すことはできない。
「今日は王都で『グルメ』祭りをしているみたいです。アルテミス、何か買って食べましょう」
レオがアルテミスに提案した。
「それはいいな。俺は行列に並ぶのは面倒なので、お前達が買ってきてくれ。ワハハハハ」
アルテミスは笑いがなら言う。
そして、ディーテがポテトフライの出店へ、レオが唐揚げのお店へ、そしてジュピターがフィッシュフライのお店に並びに行った。
「なんで王子俺が、行列に並ばないといけないのだ!」
ジュピターは文句を言いながら列に並ぶ。ジュピターは、アルテミスに助けてもらった恩があるので、渋々とフィッシュフライのお店に並んだ。
ジュピターは、ネテア王から捜索依頼が出ていたので、ジュピターが王都に戻って来たので、王都の人々は驚いていたのであった。
しかし、ジュピターは傲慢でわがままなので、誰も声をかけるものはいない。
ジュピターは、何度も列を抜け出してお城に帰ろうかと思ったが、アルテミスの笑い声が聞こえたので、逃げることを諦めて、並び続けたのであった。
「ジュピターやればできるじゃないか。そのままルールに従って、ちゃんと列に並ぶのだぞ。ワハハハハ」
アルテミスは大声で笑う。
ジュピターは、やっとフィッシュフライト買える順番がやってきた。
「フィッシュフライを5個すぐに用意しろ!」
偉そうに言うジュピターであった。
「5個でございますね。すぐに用意をいたします」
ジュノが丁寧に答える。
「お・お・お前、サクラじゃないのか!!!」
ジュピターはジュノを見て大声で叫んだ。
「サクラ?さて誰のことでしょうか。私には見当もつきません」
ジュノはジュピターが、列に並んでいるのに気づいた時に、サクラに変装していたことがバレないように、平然を装っていたのであった。
「いや、その美しい顔立ちはサクラに間違いない。俺だ。俺はジュピター王子だ」
ジュピターは、王子であること最大限にアピールした。
「ジュピター王子様、私は王国騎士団の副団長のジュノです。サクラとい人物ではありません」
ジュノはキッパリと言った。
「そうか・・・わかったぞ。ジュノさんは、王国騎士団の副団長という地位がバレると困るから、サクラに変装して、俺に近づいて愛の告白をしたに違いない。そこまでして、俺に会いに来てくれたと思うと、ジュノさんの気持ちに、俺は男としてきちんと誠意ある対応するぜ」
ジュピターは、見事に間違った推理をした。
「ジュピター王子様、それは勘違いです。私はサクラではありませんし、女性でもありません」
ジュノは必死に否定するのであった。
「ジュノさん、あなたの気持ちはわかっている。この場で俺への愛を打ち明けることはできないのだろう。しかしそんなこと気にすることはないのだぞ。俺は王子という立場であるが、愛の告白は素直に受け入れる寛大な男だ。それに、お前が男であろうが女であろうが問題はない。大事なのは、そこに愛があるかどうかだ」
ジュピターはキッパリ言ったのであった。
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