第208話 神守聖王国オリュンポス パート17
『ロックバード』
ケレスも神の子の力を発動した。ケレスの神の子の力は大地を操る能力である。地面から岩が飛び出してきてケレスの周りを囲い込む。岩の壁によってアポロ公爵の炎を耐え凌いだ。
「小癪な真似をしおって」
「簡単にここを通すわけにはいきません」
「神技『剛腕』『倍倍』」
アポロ公爵は力を強化して岩の壁に向かって大きく剣を振りかざす。ちなみにアポロ公爵が同時に使える神技は2つである。
『カキーーーン』
アポロ公爵の剣が折れる。
『ドッカンボルケーノ』
ケレスは大地に両手をあてて叫んだ。アポロ公爵の立ってる大地が裂けて、その隙間からマグマが勢いよく飛び出してきた。
アポロ公爵がマグマに焼かれて体がヘドロのように溶け出した。
「ケレス、忘れたのか・・・俺には炎は効かないぞ」
アポロ公爵の体は、赤いヘドロの状態になったが死んではいないようである。
ヘドロはしばらくすると人間の形に戻っていき、元のアポロ公爵の姿に戻った。
「俺の神の子の力は太陽の能力だ。俺は太陽の能力により全身を炎に変えている。だから、俺を燃やすことは不可能なのだ」
「本当に効かないのですね。全身を焼き尽くせば倒せるのだと思っていました」
「浅はかだったようだな。俺の体の炎は5505度だ!俺を殺せる者など存在しないのだ」
アポロ公爵が、ケレスを守る岩の壁に手に触れる。
『太陽光』
アポロ公爵の体が太陽にように燃え上がる。アポロ公爵が触れるものは、全てがゼリーのように溶けていく。ケレスを守る岩の壁も簡単に溶けてしまう。
「ケレス、お前が俺に勝てるわけがないだろう。お前や、アレスが強くなれたのは、俺の指導のおかげだろ?それを忘れてしまったようだな」
「それは、わかっています。しかし、どうしても戦わないといけない時があるのです」
「そんなにバルカンが大事なのか!」
「そうです。それに、兄上に神剣を渡してしまうと、この国は大混乱になることは、目に見えてわかっています。私は争いを起こさない為にも、兄上に神剣を渡すことはできないのです」
「お前は何も理解していないようだな。今ネプチューンに協力すれば、兵を動かさなくても莫大な利益と地位が手に入るのだぞ。こんなチャンスを棒に振るわけにはいかないのだ!」
アポロ公爵はケレスの胸ぐらを掴んで威嚇する。ケレスは神技を発動して、アポロ公爵の炎を耐え凌ぐ。
「いつまで我慢できるかな。俺が少しでも、『太陽光』の量を増やせば、一瞬でお前は灰になってしまうだろうよ」
アポロ公爵は不敵な笑みを浮かべる。
ケレスの体はどんどん燃え上がる。
「ケレス、最後にチャンスをやろう。俺に跪き忠誠を誓うなら、今日のことは見逃してやろう。一度死にかけていたお前を俺は救ってあげた。俺は寛大だから2度目のチャンスを与えてやろうではないか」
アポロ公爵はケレスを見下しながら言う。
「一度命を救って頂いたことは感謝しています。俺は以前の記憶はほとんど残っていませんが、以前の俺はわがままで傲慢でどうしよもないクズだったと聞いています。しかし、命を救っていただいてからの俺は、みんなが慕ってくれるほどの人物に変わったと、仲間達が嬉しそうに言ってくれるのです。俺は今の自分が大好きです。ここで兄上に従えば、俺は昔のクズ男に戻ってしまうと思うのです。だから俺は自分の信念をに曲げません。俺はバルカンを守り神剣をお前になんか絶対に渡さない」
ケレスは全身が燃え盛る中、胸を張ってアポロ公爵に言い放った。
「くだらん。死ね」
アポロ公爵は静かに言った。そして、『太陽光』の量をあげたのであった。
「アチョーーーーー」
アポロ公爵の頭にチョップがお見舞いされた。
アポロ公爵が地面の中にめり込んだ。
『リフレッシュ』
ケレスを燃やしている炎は鎮火して、なおかつ全身の火傷を治癒してもとの状態に戻ったのであった。
「あなたは・・・あの時の魔術師ルシス様」
私達は倭の国から神守聖王国オリュンポスに戻っていたのである。
★アトランティスの地下遺跡に戻ります。
「まだ生きているか」
ユーピテルがマーニとソールに言い放つ。
2人は息がするのがやっとであるので、声を上がることももうできない。
「私がトドメを刺しましょう」
ハデスに魂を乗っ取られたアレスが言った。
「お前はまだ体がボロボロであろう。少し休んでおけ。俺が全てを終わらせる」
ユーピテルは大きく剣を振り上げた。
『氷結ハンマー』
ユーピテルの頭に大きなハンマーが落ちてきて、ユーピテルの頭を潰しそして全身を一瞬で凍らせた。
『ブラックファイヤーバード』
大きな黒い火の鳥が現れて、凍りついたユーピテルを大炎上させる。
「トドメを刺しますわ。イフリート、あいつを灰になるまで燃やしてちょうだい」
「わかりましたポロンさん」
イフリートは、ポロンさんの精印から姿を現して詠唱を始めた。
「暗黒の大地から現れし暗黒の勇者の始祖よ、今こそ、我に暗黒の炎の礎を示したまえ。この暗闇が覆い尽くす、汚れた世界を光り輝く栄光ある世界への再興させ、未来永劫に光を与える希望の大地にしたまえ、そのためならば、全ての命を我と共に暗黒の間に陥れ・・・」
「詠唱長すぎですわ」
『気炎万丈』
凄まじい黒炎が現れて、大炎上していたユーピテルをさらに大炎上させて灰にした。
ロキさんがイフリートの詠唱が長すぎたので、『気炎万丈』を使ってユーピテルを葬った。
「黒き大地の申し子が現れて、黄色の姫の手を握り、共にダンスを踊りながら・・・・」
まだ詠唱を続けるイフリートであった。
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