第158話 妖精王パート28
「俺には無理だぜ」
トールさんは覚醒するのを諦めた・・・・
「トール諦めるないでミラクルイチゴちゃんが可哀想だわ」
私は可愛い色をつけるためにゲキまずになったジュースを飲まされる、トールさんのが可哀想だと思った。
私はそっとオーベロンに近づいてお願い事をした。
「シュークリームをもう一つ差し上げますので、色を変えないで無色の覚醒ジュースをもらえませんか」
「それは構わないが、ティターニアに見つかるとわしが怒られてしまうぞ」
「大丈夫です。私がティターニアさんを引き尽きておきますので、その間に準備してください」
「仕方がない。ルシス殿の頼みなら引き受けようではないか」
オーベロンはシュークリームを食べたいので、ティターニアに内緒で、本来の姿である無色の覚醒ジュースを作りに行った。
私は急いでティターニアさんの元へ行って、新たにチャレンジして作っていた、ピンク色の日本酒を手渡した。
「なんなのですかこれは・・・・」
「ピンク色の日本酒です。色をピンクにするのに手こずりましたが最近やっと完成しました。ぜひ、ピンク色が好きなティターニアさんに飲んでいただきたいです」
私も女の子である。なので、ネットでピンク色のお酒はないかとおもしろ半分で検索したことがった。その時、初めてピンク色の日本酒があること知った。なので、日本酒を作った時にピンク色の日本酒を作れないか試していたのであった。
「素敵ですわ。こんな綺麗な色のお酒は初めてよ。ぜひいただくわ」
「かわいいお酒ですわ。私も欲しいわ」
ティターニアさんだけでなく、ロキさん達もピンク色の日本酒にぞっこんである。
「俺ももらうぜ」
もちろん、お酒大好きのトールさんも近づいてくる。
「ダメです。トールお姉ちゃんは覚醒してください」
私がトールさんを引き止める。トールさんがきてしまったら作戦が台無しである。
「俺には無理だ。あんなジュースは飲めないぞ」
私はそっとトールさんに耳打ちをして作戦を打ち明けた。
「無色なら大丈夫なのか?」
「私の推測ですが大丈夫です」
「わかったぜ、ルシス。俺はお前を信じるぜ」
なんとかトールさんを説得して、ミラクルイチゴちゃんジュースにチャレンジしているフリを演じてもらうことになった。
一方、ティターニアさん達はピンク色の日本酒を見て、キャッキャ、キャッキャ言って騒いでいた。
そこへ、オーベロンがそっと透明の覚醒ジュースを持って現れてた。
「これが例のブツです」
「よくやったわ。これが報酬よ。見つからないようにね」
私とオーベロンは小芝居をしながら、お互いの欲しい物を手に入れた。
「トールお姉ちゃん、これを飲んでください」
「おっ!これは変な匂いがしないぜ。これなら飲めるぜ」
トールさんはゴクゴクと覚醒ジュースを一気に飲み干した。やっぱり私が思った通り覚醒ジュースをピンク色にするために、変な物を混ぜたのがゲキまずの原因であった。
オーベロンは、ティターニアがピンクの日本酒を飲んで、ウキウキしているスキにシュークリームを口に放り込んで満面の笑みを浮かべている。
「私も仲間に入れるのよ!」
無事に全てが解決すると思った時に、ポロンさんの精印からサラちゃんが現れた。
「あら、サラマンダーじゃないの?どうやって、妖精の神殿に入って来れたのかしら。オーベロンは結界を解いていないわよ」
ティターニアが意地悪そうに言う。
「私は精霊神最強のサラマンダーよ。私に解けない結界などないのよ」
「もう、いいじゃないのティターニア。サラマンダーも仲間に入れてあげましょうよ」
「ウンチャンがそういうのなら、私に嘘をついたことは許してあげるわ」
「だから、ディーちゃんと呼んでよ」
サラちゃんはティターニアの許し得て、日本酒パーティーに参加するとができたのである。
しかし、サラちゃんが妖精の神殿に入れたのは、私がオーベロンに結界を解いてもらうようにお願いしたからである。なので、サラちゃんにあげる予定の雷光石は、2つともオーベロンにあげてしまったのである。
「俺も参加するぜ」
「トール、ミラクルイチゴちゃんジュースは飲むことはできたの?」
「もちろんだぜ。本気を出せば楽勝だぜ」
ミラクルイチゴちゃんジュースは、トイレに行って捨てたのであった。
「これで2人とも覚醒者だな」
「そうね。でも、何も変わった気がしないわ」
「覚醒ジュースは、2日間かけて徐々に魔石を2つの属性に変化させるのよ。だから、急激な変化はないし、痛みや苦痛もないわ。でも、2日間は、魔力を使うことができなくなるので、魔力が戻るまで、ここでゆっくりと過ごすといいわ」
私は魔石を浄化するのに5年も費やした。それに比べたら、2日間で魔石を覚醒できるなら早いものである。
ロキさん達の魔力が戻るまでの2日間は、ティターニアの言葉に甘えて、妖精の神殿でゆっくりと過ごすことにした。
私はこの休息期間に、底をつきかけていた食事の在庫を補充するために、1人で転移魔法を使って、食材確保と料理を頑張るのであった。
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