第127話 ターニプ防衛パート14
私は、モフモフタイムを削り急いでターニプの町へ帰ることにした。それは、いつバシャーが攻めてきてもおかしくないからである。
「サラちゃんとルシスちゃんが見えますわ」
「ルシスが帰ってきたのか」
「そうみたいね。ティグレさんを連れて帰ってきたのだと思いますわ」
「ロキお姉ちゃんただいまです」
「早く戻ってきてくれて助かったわ。今日の夜にバシャーが攻めてくるとの情報を掴んだわ」
「そうなのですか。間に合ってよかったです」
「詳しい話しをしたいので、食堂に行きましょう」
私たちは食堂へ向かった。食堂にはワニパラ団とチーターの獣人ランナーがいた。
「ティグレ様、ブランシュ様、それに・・・・リヨン様もご無事でいたのですね」
「心配をかけたな。カイマン」
「私の兄のせいで、大変なことになってしまって本当に申し訳ございません」
「気にしなくて良い。お前は何も悪くないのだから」
「ありがとうございます」
ワニパラ団のメンバーは、ティグレさんとの再会を喜び涙を流して抱き合うのであった。
「ルシスちゃん。大盛りご飯の続きよ。じゃんじゃん注文するわ」
「サラちゃん、お店は休業中よ。忘れたの?」
「ガーーーーーン。そうでしたわ。それなら、ルシスちゃん食事とお酒を出してくれるかしら?」
「今回は、サラちゃんはとても頑張ってくれてたのでたくさんお食事とお酒を出してあげます」
「わーーーい。わーーーい」
サラちゃんが大喜びする。バシャーとの戦いはティグレさんに任せるので、サラちゃんの出番は特にないので存分に食べてもらうことにしたのである。
「俺もいただくぜ」
「私もよ」
もちろん、トールさんとポロンさんものっかかるのであった。これは想定通りである。
食堂の窓から、7巨星王達が食事タイムを羨ましそうに見ている。
この食堂に全員入るのは無理だったので、7巨星王にはご遠慮してもらっていた。それに、昨日も宴会しているので、そこまで甘やかす必要はないのである。
「ルシスちゃん、ランナーの情報ではバシャーは夜中に攻めてくるみたいよ」
「ランナーさんは信用できるのですか?」
「カイマンさんが大丈夫と言っていたので信用してあげましょう」
「わかりました。でも、いつ攻めてきても大丈夫なのように、私とロキお姉ちゃんでしっかりと監視をした方が良いと思います」
「もちろんよ。あの3人はあてにならないしね」
3人どころか、ティグレさん達もお酒を飲んではしゃいでいるのであった。ティグレさんは心のわだかまりも解けて、昔の仲間達との再会で嬉しくなってお酒を飲んでいるのであった。
「ルシスちゃん。今は、ティグレの好きなようにさせてやるにゃん。やっと本来の姿に戻ってきたにゃん。夜までには準備を整えるにゃ」
ブランシュさんが私にそっと声をかけてきた。
ランナーの情報どおり夕方になってもバシャーの部隊は現れない。バシャーの部隊は狼の獣人軍団を引き連れている。狼は夜行性なので夜の襲撃を選択したのである。バシャーの側近はスネークの1人だけであるが、ドワーフ相手なら問題ないと判断したのであろう。しかし、こちらには私たちがいるし、ティグレさん達もいる。情報取集役のランナーがこちらに寝返ったので判断を間違ったのである。
サラちゃんはもちろんイフリートに運ばれて帰っていった。しかし、トールさん達は仮眠を少しとって、夜の戦闘に備えている。
「ロキお姉ちゃん、バシャーの部隊が近づいています」
私の魔力感知魔法でたくさんの獣人を感知した。
「トール達を起こしてくるわ」
ロキさんは、急いでトールさんを起こしに行った。トールさんの役割はフワリンによる空からの攻撃である。しかし、夜中なので、視界がかなり悪く攻撃は難しと思うが、私には光魔法がある。いつでも、昼間のように明るくすることは容易い。
「スネークの情報通りだったな」
「私の可愛いペットの蛇の目を、誤魔化すことはできません」
「まさか、ダーシンシン、クロコダイルが倒されるとは、ドワーフの援軍はかなり手強いな」
「問題ありません。ランナーを脅して嘘の情報を流しています。それに、無数の毒蛇をターニプの町へ送り込みました。奴らは万全の体で、戦うのは無理でございます」
「本当に、ティグレが戻ってきているのか」
「間違いないと思います。なので、ワニパラ団、ランナーは裏切ったのであります」
「そうか。あいつと決着をつける時がきたか。スネークわかっているな」
「もちろんです。私の蛇でティグレの動きを封じます。なので、バシャー様は安心して戦ってください」
「任せとけ。夜中の決闘なら、お前の蛇をそこら中に忍ばせてもバレることはないだろう。お前の作戦は完璧だ」
「私は、負ける戦いはしないと決めているのです」
「ロキ、暗くて何も見えないぞ」
「大丈夫よ。ルシスちゃんが明るくしてくれると言ってたわ」
「あいつは何でもできるのだな・・・」
ロキさん達は、フワリンに乗って空から監視を始めた。バシャーの部隊はかなり近づいている。
『サンフラワーーー』
私は、空に向かって大きな光の輪を放った。その光は太陽のように光り輝いて、真っ暗なターニプの周辺を明るく照らし出したのであった。
「お、あそこに獣人の部隊が見えるぜ」
「本当だわ」
「私の弓で攻撃しますわ」
ポロンさんは、上空から炎の矢を狼の獣人の群れに撃ち放つ。
ロキさんは、上空から炎の魔法を狼の獣人の群れに撃ち放つ。
トールさんは、上空から雷の魔法を狼の獣人の群れに撃ち放つ。
「なんだ、急に明るくなったぞ」
狼の獣人は、急に明るくなってパニックを起こす。そこに空から無数の炎の矢、ファイヤーボール、雷が落ちてきた。そして、100名近くいた狼の獣人達が一瞬で殲滅されてしまう。
「スネークどうなっている。何が起こっているのだ」
バシャーは訳がわからずに慌てふためいている。
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