第122話 ターニプ防衛パート9
「とりあえず、ターニプの町に戻るか」
「そうね。まずは、ターニプの町でバニー料理長にご飯を作ってもらうおうかしら」
「ポロン、バニー料理長に無理をさせたらだめよ。ルシスちゃんにまた窒息死させられそうになったのだからね」
「料理なら私が用意する。モフモフ度では負けてしまいますが、料理の腕は負けません」
私達はターニプの町へ戻ることにした。ワニパラ団は、フワリンに乗せることができないので、歩いてターニプの町まで来てもらうようにお願いした。もちろんバニー料理長は、私が抱いて運んであげることにした。
「助けてくださーーーい」
バニー料理長の悲鳴が、ターニプの町に着くまで鳴り止まない。その一方で私は、ずっとモフモフタイムを満喫できたので上機嫌であった。
「バニーは大丈夫なのか」
「意識はありますわ」
「でも、かなり強くルシスちゃんに抱きしめれて疲労困憊の様子だわ。ゆっくりと休ませてあげましょう」
バニー料理長は、私の熱い抱擁で興奮してかなり疲れているみたいなので、ドワーフに頼んで、宿屋で休憩を取ることになった。そして、ドワーフに現状の報告をした。
「あのゴリラの獣人を倒してくれたんですね。本当に助かりました」
「でも、3獣士のバシャーが残っているぜ」
「そうですね。今後は、私達はどうしたら良いのですか?」
「ルシス!ブラカリに一旦戻ると言ってたけど、ドワーフの国はどうするつもりだ」
「ブラカリの町には、私とサラちゃん、バニー料理長の3人で行きます。ロキお姉ちゃん達は、ターニプの町で、もしもの時のために備えていてください」
「ワニパラ団はどうするつもりだ」
「ワニパラ団も、一緒にターニプの町で待機していてください。私が、ティグレさんを連れてきますので、その後はどうするか判断してもらいます」
「サラは、食べ過ぎでダウンしているから、明日にでもブラカリに向かうのか?」
「はい。そうします」
「それでは、獣人を退けた事を祝して宴会でもしましょう」
ドワーフ達は、何もしていないのに一仕事を終えた感じで、宴会をしようと提案してきた。
「もちろんだぜ」
「もちろんよ」
「・・・・・」
ロキさん以外はノリノリである。
「わかりました。それでは、私が料理とお酒を出します」
「私も参加しますわ」
ポロンさんの精印からサラちゃんが現れた。
「サラ、食べ過ぎで、倒れていたのじゃないのか」
「もう、復活しましたわ。なので私も参加しますわ」
「いや、元気になったのなら、ルシスと一緒にブラカリの町へ行ってくれ。宴会は用事を済ませてからだ」
「えーーーーーー。私だけ除け者にするのね」
「サラちゃん!違うわよ。あなたにしかできないことなの。バニー料理長をブラカリの町まで運んで欲しいのよ」
「無理ですわ。私は宴会に来たのであって運搬に来たのではありませんわ」
「サラちゃん。召喚主として、ブラカリに行く事をお願いするわ」
「今回は、召喚されていないわ。私の意思で来たので召喚契約は無効ですわ」
「サラちゃん。バニー料理長の作る料理は絶品なのよ。ブラカリまで運んでくれたら、とても美味しい料理が食べれますわ」
「ほ・ん・と・う・な・の」
「悔しいけど私が保証します。それに、サラちゃんには特性ビッグプリンを用意します」
「特性ビッグプリン・・・・仕方ありませんわ。みなさんが困っているなら、私は協力しますわ。私の優しさに感謝するのよ」
なんとか、サラちゃんを説得することができたので、私はブラカリの町に戻ることにしたのであった。
宿屋でぐっすりと休んでいるバニー料理長を、サラちゃんのカゴに乗せてブラカリへ向かった。もちろん、私は自分で飛んでいくのではなくて、バニー料理長を抱いてカゴの中に入ったのであった。
「助けてくださーーーい」
また、バニー料理長の悲鳴が響くのであった。
「お前達、本当にバシャー様を裏切るのか」
「クロコダイル兄さん以外はティグレ様を慕っていたんだ。俺たちは、ティグレ様の元へ行くと決めたのだよ」
「ランナー、そういうことだ。それに、お前はバシャーの元にいて幸せか?」
「それは・・・・」
「そうだろ。ティグレ様が3獣士の頃は、平和で毎日が幸せだったはずだ。俺はあの頃に戻りたいんだ」
「そうよ。それにダーシンシンもティグレ様のお仲間によって倒されたわ。そして私の兄クロコダイルもね。もうバシャーを支える者も少ないわ」
「俺も連れて行ってくれ」
「一緒に行くのはいいけど、あなたの誠意を見せてほしわ」
「どうしたらいいのだ」
「バシャーが連絡を待っているはずよ。だから、嘘の報告をして欲しいのよ」
「嘘の報告?」
「そうよ。私たちが、ドワーフの町へ着くまで、時間を稼いで欲しいのよ」
「わかった。なら、作戦は順調に進んでいると報告しよう」
「お願いするわ」
私は、モフモフ旅を満喫していた。本当は、急いでブラカリの町へ行くはずだったのだが、できるだけモフモフを堪能したいので、サラちゃんにはゆっくりと行くようにお願いしたのであった。
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