第27話 人助けパート1

                       


 今日は、異世界転生をしたら、作ると1番喜ばれるランキング1位のプリンを作ることにした。(ランキングは、あくまで私の主観ですのでご勘弁下さい)


 

 プリンとは、少し因縁があるが悪いのは閻魔大王であり、プリンには何の罪のないので、私は心の中でプリンとは和解しているのであった。



 プリンを作る素材は、全てこの町の市場で手に入る。だがしかし、私はアカシックレコードがすすめる最高級の卵を使用したい。その卵は、天鶏という金色の羽を持ち体長は3mもある鳥の魔獣である。


 天鶏は、ガッリーナ山の頂上に生息している。ガッリーナ山は、ユイール大草原のさらに北の位置にある。


 ガッリーナ山は、標高は3000mもあり山頂には高さ100mの樹木が立ち並んでいて、天鶏はその上に巣を作り卵を産む。そのため、卵を狙う天敵もいないので、卵は簡単に取ることが出来るが、その山頂まで行くのが困難である。しかし私にかかれば余裕である。


 私は、今日は遅くなることは出来ないので、飛行スピードを上げてガッリーナ山の山頂を目指す。


 ガッリーナ山の山頂に着くと私は、卵がないか天鶏の巣を探す。今の時間は天鶏は、エサを求めて巣から離れているのでチャンスである。私は無用な争いは避けたいのである。


 私は、巣から卵を20個ほど手に入れることができた。1個1mくらいの大きさなので、何個のプリンが作れるのか想像もできない。天鶏に見つかるわけにはいかないので、すぐにその場をあとにしたのであった。


 ガッリーナ山のふもとには、ディービルの大森林がある。この大森林には、高ランクの魔獣が、生息しているみたいなので、王都からの依頼でレア素材を求めて冒険者が来ることもあるらしい。


 思ったより早く素材を、手に入れることができたので、私は、空から見る風景を堪能していた。上空から、見下ろす風景なんて、転生前なら飛行機に乗らない限り無理なことである。


 私は、のんびり風景を見ながら、飛んでいると、遠くに魔獣の群れが見えた。大森林も抜けて魔獣も少ない地帯なのにどうしてだろう?私は気になったので、魔獣の群れの方へ行くことにした。


 魔獣の群れはオークの大群であった。300体くらいはいるみたいだ。このままオークの大群がまっすぐ進むと領主様の町があるはずである。



 「このまま進むと町が危険です!」



 私は、面倒事は避けたいので、オークが町に近づく前に討伐することにした。


 昨日コカトリスを倒した、光魔法を使うことにした。しかし今回は、昨日よりさらに強力な魔法にした。私は空を覆い尽くすような、巨大な光の雲を作った。その雲からカミナリのようなレーザービームが、無数に現れてオークの群れに、ゲリラ豪雨のように降り注ぐ。レーザービームを受けたオークは一瞬で消滅する。その威力は魔石すら残らない。数分後には、そこには何もない長閑な風景しか残っていなかった。


 今回は素材はいらない。しかも、多数のオークの死骸を放置するわけにもいかないので、強めの魔法で消滅させたのであった。



 「これで、一安心・・・・」



 ではなかった。さらに離れたところで馬車が襲われている。襲っているのはハイオークである。ハイオークの討伐難易度はEランクである。馬車を守ってる護衛兵または冒険者の数人は、ハイオークにやられて倒れ込んでいる。今はハイオーク3体の攻撃をなんとかしのいでるみたいだ。しかし、ハイオーク7体の死体が見えるので、中級冒険者あたりの実力であろうと私は思った。


 よく見るとハイオークの後ろに、戦闘を眺めている魔獣がいる。その魔獣の正体はオークスターだ。スターと言うだけあって、戦闘は1対1のタイマンバトルを好む魔獣である。討伐難易度はC1ランクである。あの冒険者や護衛兵では絶対に勝てない相手である。



 「仕方がないわ。助けてあげましょう」



 私は、上空から炎の球を投げ飛ばす。一瞬で、ハイオーク3体は黒こげになる。オークスターが炎の球が飛んできた方向をにらみつける。私の存在に気づいたみたいだ。


 オークスターは、金色の槍を私に向けて、勝負しろ!と言わんばかりに挑発してくる。私は、今回は武器を持ってきている。調理用の小型ナイフを・・・


 オークスターは3mもある巨漢だ。しかも、黄金の甲冑をまとい、戦国武将のような派手な出で立ちである。さすがスターと名乗るだけのことはある。



 「頑丈そうだけど、問題ないはずです」



 私は、ナイフに魔力をこめてオークスターの前に舞い降りた。オークスターは、黄金の槍を私に目掛けて突き刺す。


 が、私は黄金の矢をさらりとかわし、甲冑にキズをつけないように、オークスターの首を簡単に切り落とした。



 「この甲冑高く売れそうです」



 私の顔はかなりニヤついていた。




 「もしかして、天使様ですか?」




 助けた護衛の1人の女性が、私に声をかけてきた。





 

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