第21話 パースリの町パート3
トールさんが、町の中へ入ると、いきなりゴブリンが襲ってきた。トールさんがハンマーを振りかざす。ゴブリンは吹っ飛び、グチャグチャになる。
門の前には、ゴブリンが、30体くらい警備の為、配置されていたが、一瞬でトールさんのハンマーで、潰される。
「先に進むぜ」
トールさんは、町の中心へ向かう。町の民家には、ゴブリンが、住みついている。民家からゴブリンが溢れ出てくる。
私は炎の魔法で、ポロンさんは、炎の矢で的確にゴブリンを倒していく。ゴブリンは、火に弱い属性である。
トールさんとロキさんは、一直線に町の中心に、向かう。町の中心には、教会があるみたいだ。なので、2人は教会を目指す。
私とポロンさんは、続々と、民家から出てくる、ゴブリンを倒していく。
そして町の中心にある教会に2人が、たどり着く。2人に気付いたジャイアントゴブリンが、教会からでてきた。
トールさんは、ジャイアントゴブリンの頭上に飛び上がり、ハンマーを叩きつける。
「おりゃーー」
ジャイアントゴブリンは、棍棒でハンマーを受ける。しかし棍棒は砕けて、そのままジャイアントゴブリンの頭に、ハンマーが叩きつけられる。
「ぐぎゃー」
ジャイアントゴブリンは、悲鳴をあげるが、致命傷には至っていない。すかさずロキさんの剣が、ジャイアントゴブリンの腹を切り裂く。ジャイアントゴブリンの体はかなり硬い為、切り裂くことが出来ず、ロキさんは、いったん退く。
ロキさんは、魔力を剣に注ぎ込む。剣は、灼熱の炎をまとう。ジャイアントゴブリンは、ロキさん目掛けて走ってきて、殴りつける。
ロキさんは、素早く避けて、灼熱の剣で、ジャイアントゴブリンを切り裂く。ジャイアントゴブリンの腹からは、多量の血が溢れ出て、そして体は燃え上がる。
トールさんさんは、ハンマーを振り上げて、ダメ押しの1撃をくらわす。ジャイアントゴブリンはグチャグチャに潰れてしまった。
「あと4体だな。ロキ、ジャイアントゴブリンの体は、かなり硬いみたいだ。」
「そうだね。でも大丈夫。ルシスちゃんの強化魔法のおかげで、魔力伝達力も増えているから、灼熱の剣の攻撃力は、かなり強くなってるみたいだから」
この世界の魔法の使い方は、様々だ。例えば炎系の魔法だと、直接魔力を炎に変えて、攻撃するタイプ。
手のひらに魔力を貯めて、炎を打ち出す。このタイプは1番簡単だ。私がいま使ってる魔法が、そのタイプだ。
次に、その炎を別の形に変えて攻撃するタイプ。ポロンさんが、そのタイプだ。魔力を炎の矢に変えて攻撃している。矢に変えることで、普通の炎の魔法より、スピード、威力、正確性がアップする。欠点は弓矢の技術者が必要なことだ。
そして最後に、武器などに魔力を注ぐタイプだ。トールさんは、ハンマーに魔力を注ぎ、大きさを変えたり、強度を高めたりする。ロキさんも剣の強度、切れ味、さらに炎をまとわせている。
魔力の使い方は、個々の発想によって、様々に変化するのである。
教会から残りの4体のジャイアントゴブリンが、あらわれた。
先ほどのジャイアントゴブリンとの戦いを、見ていたのか、魔力によって棍棒が強化されてるみたいだ。
「ゴブリンと違って、多少は知能があるみたいだな。油断するなよロキ」
「トールこそ、調子にのらないでね。まだボス魔獣がいるはずだからね」
ロキさん達は、ジャイアントゴブリン4体と、交戦を続けている。2人に邪魔が入らないように、ポロンさんと2人でゴブリンを始末している。
民家ごと焼き払ったら、簡単に全滅されることができるが、そういうわけにもいかない。出来るだけ、町の損害は少なくしたい。その方が討伐報酬も高いはずだ。
「ルシスちゃん。ゴブリンの数も、だいぶ減ってきたみたいだね。ルシスちゃんの強化魔法のおかげで、弓矢のスピード、正確性、威力、さらに連射スピードが増したので、楽にゴブリンを倒せるわ。これなら、あの2人もジャイアントゴブリンのみに、集中できるわね」
「これで3体目完了」
ジャイアントゴブリンの攻撃をうまくかわして、3体目のジャイアントゴブリンにとどめを刺す。
「あとに2体かぁ。少し疲れきたし、一気にいくぞ」
そういうとトールさんは、大きなハンマーを小さくして、魔力をスピード強化に極ぶりした。
トールさんの動きに、ジャイアントゴブリンはついていけない。トールさんは、スピードで、ジャイアントゴブリンをほんろうして、スキを見つけては、ハンマーで殴りつける。
ジャイアントゴブリンは、攻撃に耐えきれなくなり、頭を抱えてしゃがみ込む。
「いまだ、ロキ。」
ロキさんは、剣に全ての魔力を注ぐ、灼熱の炎は、さらに燃え上がる。ロキさんは、ジャイアントゴブリンの頭上に飛び上がり、剣を突き刺す。
ジャイアントゴブリンの頭を抑えてる手を貫き、そのまま頭から串刺しにする。さらにその剣を抜き取り、もう1体のジャイアントゴブリンの頭上に飛び上がり、同じように突き刺す。
2体のジャイアントゴブリンはそのまま倒れこんで、燃えている。
「これでジャイアントゴブリンは、終わりだね」
「ああ、かなり疲れたが、あとはボス魔獣だけだ。面倒くさいよな」
「そんなこと言わないで、頑張りましょう」
「…… 」
「休ませて、くれないみたいだぜ。」
教会の中から、ジャイアントゴブリンよりも、1回り大きなゴブリンがあらわれた。
「ゴブリンキングかぁ」
「勝てるかな・・・」
2人は呆然と、ゴブリンキングを見ている。そのとき、2人に向かって、2つの矢が飛んできた。
「グサリ」 「グサリ」
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