僕という存在

一色 サラ

大切な想い

 君に会うたびに、この鼓動がたまらなく止まらなくなる。会えない時間は寂しいけど、会えた時は何十倍にも嬉しさが膨れ上がっていくよ。

 君は気づいてくれているのかな。僕がこんなに君のことが大切に思っていることを。

 君がご飯を食べている姿も、テレビを見て爆笑している姿も、お風呂上りにビールを飲む姿も、すべてが愛おしくてたまらないよ。

 また君がたまにギターを弾いてくるけど、最近は聞きやすくなったね。昔は聞くに堪えない音を出していたね。

 君にとって、僕の存在をどういうものなのだろう。たまに考えてしまう時があるんだよね。

 君は僕がいなくても寂しくないのかなと、思うことがあるんだよ。僕以外の人と、話している姿は、あまり見たくないし、好きになれないだよね。僕の存在を忘れているようで、すごく怖くなることがよくあるんだよね。

 でも、それを打ち消してくるのも君だよね。「今日も元気か?」「ちゃんとごはんを食べろよ」と言われるたびに、嬉しくてたまらなくなるよ。その顔が近くにあると、照れくさくなることもあるけど、君に触れられるだけで、こんなにも嬉しい気持ちになるとは思わなかった。君が僕を必要としていてくれると感じられて、とても満足してしまう。君は僕の生きがいだからね。


玄関の方から音がした。君が帰って来てくれた。

「まあ、入れよ」

「お邪魔します」

今日は訪問者を家に連れてきたようだね。部屋の電気が着いて、部屋が全体が明るくなって、目がおかしくなる。

「いっぱり、高層ビルので1人暮らしっていいよな」

「そうか。まあ適当に座ってくれ。ビールでいいよな」

「ああ」

こちらに訪問者が近づいてきた。

「聞いてけど、凄いな。」

「ああ、ケンシロウ。可愛いいだろ」

ケージの中の僕に向かって、

「ヘビが可愛いの?」

「可愛いじゃん」

「まあいいけど、なんていう種類?」

「コーンスネーク」

この家にくる訪問者は、僕を見ると、いつも何か不思議な感じがする。

でもそんなときに、君はケージにいる僕を見て微笑んでくれている。それだけで、十分だ。僕と君だけの世界がここにある気がする。

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僕という存在 一色 サラ @Saku89make

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