メロンパン落ちました。

メロンパン落ちました。（short ver.）

　俺は残念な人間だ。

そう思いながら今までずっとなんとなく生きてきた。

今日もいつもと変わらない一日を過ごすことになる。たまには外に出かけてみるとするか。

　本屋に来た。

本は好きだ。いろんな思考が散らばってる。

最新の漫画が出ていた。これを買って今日は帰るか。

でもお腹が空いてきた。今日はまだ何も食べていなかった。

そういえばこの本屋の隣にパン屋があったな。そこでパンを買って帰るか。

ドアを開けるとパンのいい匂いに包まれた。

さて、どれにしようか...あれ？

店の隅で安売りされてるメロンパンに目がいった。

こいつも俺と同じなのかな。

気が付くとメロンパンが入った袋を持っていた。お腹を空かせながら家に帰る。

　帰り道、こども二人がボールで遊んでいた。

あ、ボールが道路に行ってしまう。俺は走ってボールを追いかけてボールを掴んだ。

こどももこっちに来たから、「気を付けてね」って言ってボールを渡したら、こどもが元気に「うん！」って言って向こうに走って行ってしまった。

でも、なんでか嬉しくなっていた。

　誰かが仕組んだのかもしれないしすごい偶然だったのかもしれない。

でも、一瞬ですごく自信が付いた。こんな俺にも人を助けてやれたんだ。

行動しても変わらないかもしれないが、行動しないと変わらなかった。

俺は歩きながら背伸びをして家に帰った。

ふう、なんだか今日は不思議な体験をした。

なんだか疲れてしまっ・・・あれ。

手に持っていたメロンパンはどこにいったんだろう。