再びダンジョンへ1

次の日、ライブラへ訪れた俺たちはクラビから今の状態について質問をしたが、何故そのようなことになっているかはわからないそうだ。

しかし、埋め込まれたスキルが何らかの原因になっているだろうことはわかったので、解明を頼み広場に戻ってきた。


「結局何もわからずかぁ。まぁ別に問題は無いっちゃ無いんだけどね。」


「まぁな。さて、それじゃあ昨日の通り何か依頼でも受けようか。」


「あ、あの後ストレちゃんと何かないか調べたんだけど、今の時期だと討伐依頼ばっかりなんだってさ。」


「そうなのか?」


「えぇ、とは言え理由はわからないけどね。昔から暑さが落ち着き始めると何故か掠種が増えるのよ。」


昔からの知恵は偉大だからな。大体何かしらの経験からそういうのは伝えられているだろう。


「なら緊急性の高い討伐と、あればその素材収集の依頼を受けようか。」


「そう都合よくあるかなぁ?」


「それぞれ調べてみましょうか。」



「俺の方はそこまで良いのは見つからなかったな。」


「・・・これなんてどうでしょうか。」


フェルズが俺の前にウィンドウを動かす。


「ダンジョンの定期掃討・・・?」


依頼登録日時を見るとつい5分前に依頼されたばかりのようだ。


「内容は討伐掠種一体につき一律報酬、プラスしてドロップとトレジャーは見つけた人の物となるそうです。また、不用品は依頼完了時に売却も可能。」


「う~ん都合が良い。」


言いたいことはわかるが、見た限り依頼主は領主だから大丈夫だろう。とは言え俺も名前しか知らないから絶対ではないが。


「あー、もうそんな時期だったのね。これは大丈夫よ、今までも毎年張り出されてて大人気の依頼だから。むしろ早く受けないと締め切られるわよ。」


「じゃあこれで良いか?」


「オッケー。」


ボタンを押し依頼を受ける。


「あ、これ期限とか無いのか。自由に行って自由に帰れて、内部の掠種が全滅したら終わりと。」


「へぇ、ならとりあえず一回行ってみない?アイテムとかは前の探索の時ほとんど使わなかったし、装備も全然問題ないし?」


「そうだな・・・どの程度の敵が出るのかもわからないし、いつでも帰れるなら試してみるか。」


他三人も見るが、全員問題なさそうだった。


「よし、じゃあ行くぞ。」



「今度もちゃんとダンジョンに飛んだっぽいね!」


毎回確認するつもりだろうか?


「そうそう変なところに飛ばされても困るわ・・・。」


「お、早速敵ですよ。」


気楽に言い流れるように弓を構えて、迫っていた掠種の頭を吹き飛ばす。


「やっぱフェルズすげぇよな。」


「正面切っての一対一なら負けないと思うけど、山とかでの戦いなら多分負けるね。」


俺ならどうだろうか。今の矢の速度が上限ならスキル使用でギリギリ避けられると思うが、これ以上速くなって連射もできるようなら多分勝てないだろう。


「あれ、あの掠種狼じゃないね。・・・猿?」


後続の掠種が仲間が吹き飛ばされたのを見て固まっている。


「ぱっと見猿だな。」


ここが立体的な足場がある場所なら脅威だっただろうが、洞窟ならそこまでではない。


「前と同じようにやろうか。エル、行こう。」


「オッケー!」


気合を入れ、猿共に向かって走り始めた。

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