第4話 男 すべては街のために

 普段、なんとなく普通のばかを装って生活していたぶん、教師と生徒に与える衝撃は大きかったらしい。授業が終わっても、誰も立ち上がったり声をかけようともしない。教師も、棒立ちになったまま。


 ばかどもが。


 心のなかで言い捨てて、立ち上がり。


 教室を出る。


 ああいうばかどもが、平和に何も考えず暮らせるようにするために。


 自分はこれから、死にに行く。


 街を護るというのは、そういうことだった。

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