『臥薪しょうたん』

作:蜜売家偽薬

編:蜜売家麻薬


【マクラ】

その昔中国の春秋時代などという時代の折に、まあ中国では戦争が絶えなかったんでございますが、その中でも呉という国と越という国、この二つの国の間で戦争が起きていたさなかの出来事にですね、呉の国の王が深い傷を負ってしまい、その遺志を引き継いだ次の代の王が前の王の無念を忘れぬよう、肝を嘗め薪に臥してはその屈辱を思い出すといった鍛錬を行ったようでございます。その話が元になりまして、故事成語、四字熟語の「臥薪嘗胆」という言葉が現在まで使われることになりまして。臥薪嘗胆。肝を嘗め薪に臥すように苦心・苦労を重ねることでして


【本編】

彼女「しょぅたん言ってたよね、いつかおっきくなって立派になってお金持ちになって、あたしにおっきいおうち買ってくれるって。ね?(威圧)」

しょうたん「ああ、言ったな。俺は今はフリーターだけどいつか絶対に起業して年収4000万になって、お前に高台のお城みたいな家をプレゼントするって」

彼女「うふふ。あたしそれがすっごい楽しみだし、しょぅたんがあたしのことそんなに大事に思ってくれてることが幸せだょ、、」

しょうたん「ははは、ビッグになる男の彼女になれてお前は本当に幸運だな」

彼女「でもね、、やっぱり、成功には下積み時代って必要だと思うの、、だからね、あたしね、『しょぅたん育成プログラム』考えたんだ///」

しょうたん「い、育成……?何だそれは」

彼女「臥薪嘗胆って知ってる?」

しょうたん「マクラで聞いたよ」

彼女「よかったぁ、しょーたんマクラの内容ちゃんと覚えれてたんだね!!」

しょうたん「温度差ありすぎて風邪引きそうではあったけど」

彼女「だいじょぉぶ!!バカは風邪引かないから、、」

しょうたん「ああ……?」

彼女「だからね、ほら、しょぅたんは今日からここで寝るの」

しょうたん「な、何だこれ……丸太……?」

彼女「やっぱり無印の人をダメにするソファで寝てると成功は遠のくと思ってね……?」

しょうたん「なんで丸太の上で寝るんだよ!」

彼女「臥薪嘗胆♡」

しょうたん「いや、いやもっと違う苦労の仕方があると思う」

彼女「そんな怒らないでょ……あ、お腹すいたのかな?じゃあ、ほら、これ」

しょうたん「うーわマジモンの内臓出てきたな」

彼女「カナール産のフォアグラだょ……」

しょうたん「高級品じゃん……」

彼女「やっぱり肝臓はネットで買うと足がついてよくないかなって、、」

しょうたん「いやフォアグラってネットで買えるんだ……」

彼女「楽天市場で3500円だょ、、」

しょうたん「セレブがパーティーで使うために売られたんだろうに、俺に臥薪嘗胆させるために使われたフォアグラが可哀想……」

彼女「しょーたんはこれ舐めて」

しょうたん「(舐めながら)たっ食べ物の大切さを感じる……」

彼女「じゃあちょっとそこで寝ててね、、」

しょうたん「薪……表面ささくれてるじゃん痛い……そうかあいつ、俺が働かないくせに非現実的なことばっかり言ってるのを戒めるためにわざわざこんなの用意して……バイト探すか……明日から………え!?は!?何で急に部屋が壊されるんだ」

彼女「しょうたーん!!お待たせぇ!!」

しょうたん「何でお前、ショベルカー乗ってるんだよ!?」

彼女「しょうたんは、こんなちっちゃい家で燻ってるよおな人じゃないもんね!?」

しょうたん「待って!!」

彼女「おっきくなって立派になってお金持ちになって、あたしにおっきいおうち買ってくれるんだよね!?」

しょうたん「待って今は!!明日から!!」

彼女「しょうたーん!!」

ガシーン

くだらない一席でございました。


【追記】

2020.12.19

演:蜜売家偽薬

https://www.youtube.com/watch?v=f66Cns4f8AI

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