第9話 実践は、デートの最中
俺たちは、無事に、目的地に着き、使用人さんに渡されていた弁当を二人で食べさせあい、ヒカリに膝枕をしてもらったり、散歩したりして、デートを満喫した。
そして、
「そろそろ日も落ちてきたし帰ろうか?」
「そうね。帰ったら、今日も、たくさんちょうだい?」
「いいよ。今夜も楽しみだ。」
「本当っ‼私も、ケンヤ君にシてもらうの、なんか、癖になりそうだから……」
「うん、とりあえず、公衆の面前で赤面になりながら言う事じゃないと思うよ‼」
さすがに、焦る。
「と、とりあえず……」
俺は、ヒカリに左手を差し出した。
「帰ろうか。」
「うんっ‼」
ヒカリは、俺の左手に右手を握った。
「帰る前に、果物屋さんのおじさんの店に寄って帰ろうか。」
「そうね。私も、あの、赤い果実、食べたかった。」
買った方が、いいよな?
「じゃあ、市場に寄ってから、城に帰ることにしよう。」
「なら、早くいきましょう。早くしないとお店閉まっちゃいますよ。」
「っておい‼引っ張りすぎると、服が伸びるから、やめてくれぇ~‼」
「いいから、いいからぁ~」
まあ、振り回されるのも悪くはないな。
そう思った直後、大きな影が街の方に飛んで行った。
『緊急避難、緊急避難‼世界を壊滅させるほどのドラゴンが来ます。早く、遠くまで逃げてください‼』
「おい、ヤバい‼逃げるぞ‼」「逃げるってどこへ‼もう、この世界が終わってしまうのよ‼」「冒険者が、なんとかしてくれるから、とりあえず逃げよう‼」「おか~さ~ん‼どこ~‼」「早く逃げないと、早くしないと俺たちが死んじゃうよ‼ヤバい、どうしよう⁉」
「皆さん、とりあえずここは、なんとか耐えてください。2時間後に、プラチナランク冒険者が来てくれますから‼」
「よし、この戦い、生き延びて、ギルドから報酬貰うぞ‼」
「「「「「「「「「「「オー‼」」」」」」」」」」」
どうやら、冒険者にこの場は任せて……
‶ボォーーーーーーーーーン″
街が半分消し飛んだ。
「おい、ヒカリ。城に戻る前に、この世界を救うために、あのドラゴン、殺すぞ‼」
「わかったわ。私は、回復魔法ができるから、怪我した人を救うわ。ケンヤ君は?」
「俺は……」
魔術廻廊起動 武器作成 日本刀
俺は魔術で日本刀を作った。
「これを使って、アイツをなるべく弱らせる。」
「わかったわ。じゃあ、15分後に、また会いましょう。」
「ああ。死ぬなよ‼」
「そっちこそ‼」
俺たちは、町の入り口で別れた。
「はあ、はあ、はあ、はあ……、クソ、なんなんだコイツ‼全く刃が通らねぇ―‼」
「ここは、私たちシルバーランク冒険者が、耐えなくちゃいけないんだ。」
「ヤバいヤバいヤバい‼最大出力の攻撃が来る‼」
「チッ、ここまでか。」
「それが運命なら、仕方ない。受け入れよう。」
冒険者たちは目を瞑った。
「まだ、諦めんなー‼」
俺は、冒険者たちの前に入り、
「季節が流れ、風の温度が心地いい季節になった。さあ、咲く時が来た。ブルーミングコスモス‼」
魔術を使用した。
俺の前には、一輪の花、そう、
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」
ドラゴンのブレスを調和していった。
『ほお、私のブレスを無効化するか。貴様、名前は何という。』
「死に行くものに名乗る名はない。」
『そうか。ならば死ね‼』
「いや、死ぬのはお前だ‼」
俺は構えた。
そう、俺は、俺の養子に入った家は、真剣の技が伝わり続ける構がある。
「一ヶ嵜流 春の構 ……」
『死ね‼』
ドラゴンは空に飛びあがった。
『バイオレンス・インフェルノ』
「ヤバい、あのサイズは、この世界が終わる……」
「おい、行けるのか、ケンヤ‼」
「やめておけ、彼は今集中しているんだ。」
「わ、わかった。」
ありがとう、お姉さん。
「…… 四月 里桜 」
炎の玉が俺の上に落ちてくる瞬間に、切りつけた。
魔力が入っており、切れ目から、里桜が咲いた。
「咲き、誇れ‼」
その瞬間、炎の玉がすべて、里桜が咲いた。
「まさか、最大火力の上の攻撃があったのか……」
「だが、今回は、アイツに守られた。」
「そうだな。私たちはもう、彼に頼るしかない。そして……」
女冒険者は、鎧を脱ぎ、
「とても、綺麗だ。」
「どうだ。お前の攻撃を受け切ったぞ‼」
『そうか、私の攻撃を受け切るか。……よろしい‼本気で貴様とは戦おう。
なんと、ドラゴンは人に変身し、己の翼を武器にしていた。
「この姿なら、ブレスなど吐かなくても攻撃できるからな。」
「かかって来い。その剣と、背中の紋章頂くぜ‼」
俺は見逃していなかった。このドラゴンの背中に紋章があることを。
「私に勝ったら差し上げよう。だが、貴様が負けるときは、殺すからな。」
「俺は、お前を絶対に殺して、奪ってみせる‼」
「じゃあ、」
「ああ。」
俺たちは、声を合わせて、
「「いざ勝負‼」」
俺たちは間合いを詰めた。
カーン
「やるな、貴様。」
「こんなの、序の口……だッ‼」
俺は、相手を吹っ飛ばした。
「ところでお前は、名前なんだ。」
「私は、世界を滅ぼす竜、インフェルノドラゴンだ。」
「じゃあ、インドラと呼ぶことにする……よっ‼」
俺は間合いを詰めた。が、一歩下がった。
「ほお、見切ったか。」
「チッ、お前、なかなかやるな。俺の刀を切るなんてよ」
まさか、魔術で作った刀を壊しやがった。
「さて、仮に作ってた武器を使うのは、もう、終わりだ。」
その瞬間、後ろから、
「ケンヤ‼大丈夫なの⁉」
「ヒカリ、ちょうどよかった。お前を使う。」
「ふぇ⁉」
「目を閉じろ……」
「は、はい……」
ヒカリは目を閉じ、口を突き出した。
なるほど、キスすることで、武器化させれるのか。そういえば、昨日、ヤってる途中、キスしてないな。
「おい、インドラ。ちょっと待ってろ。」
「ああ、もちろん。貴様と本気で戦うためならな。」
「ああ、サンキュー。」
そして俺は、
「ヒカリ、行くぞ‼」
「うん‼」
俺は、ヒカリに思いっきりキスした。
その瞬間、あたりがまぶしい光に包まれた。
ねえ、ケンヤ君、目を開けて。
この世界は何なんだ?
ここは、私と君の世界。
俺たちだけの世界?
さあ、私の心を見て。
っ‼
やっぱり。あなたも怖がるのね……
いや、ちょっとびっくりしただけだ。俺は、お前の心がどんな形だろうと、俺が受け止めて見せるから‼
本当?
ああ。約束するよ‼
ありがとう、嬉しい‼
目を開くと、俺が握っていたのは光を帯びた剣だった。
「おお、美しい……。」
「なんだか、俺たち、一つになった気がする。」
『本当に、一つになったみたい。』
「でも、」
『私たちなら、』
「『世界を救える気しかしない‼』」
「ほお、ならば、全力でかかって来い。貴様らの力、この私が見極めてやろう‼」
俺は構えた。
「行くよ、ヒカリ」
『ええ、二人で。』
魔術廻廊起動 魔力開放 全身強化 制限解除
「
「っ⁉」
俺は一瞬で間合いを詰めた。そしてそのまま、両腕を切り落とした。
「グァァァァァァァァァ⁉」
「ヒカリ、少し魔力を流す。痛むかもしれない。」
『痛っ‼』
もう少しだけ我慢してくれ。
「おい、インドラ。まずは、剣、奪ったぞ。」
「面白い。さあ、私を殺せるかな‼」
そして、インドラは、竜化した。
「ヒカリ、俺の今出せる最大出力を使う。」
『いいよ。あなたがしたいようにして。』
「ありがとう。」
『さあ、私がこの姿になっても、その件は、私を傷付けることができるか‼』
「ああ。俺とヒカリにやってやれないことは無い‼
時間は確かな絆を作り、空間は確かな居場所を作る。俺の中にあるのは、時間と空間、そして、確かな経験。そのすべてが俺を形成している。そう、この剣に、俺のすべてをかける‼」
『私は、あなたと一心同体。あなたのためなら、どこまでも一緒に戦います。』
「
俺は、インフェルノドラゴンに向かって振り下ろした。
『なんだ、この力は⁉』
「これは、ヒカリの力、つまり、このまま、お前を無に帰す‼」
『どうやらこの勝負、私の負けのようだな。よかろう、このインフェルノドラゴンが、貴様に、亀津の紋章の継承を許可しよう‼ありがたく受け取るといい‼』
そして、俺の首筋に、紋章が現れた。
『では、私は行く。さらばだ、名も知らぬ剣士よ。』
そして、インフェルノドラゴンは、消えてなくなった。
_____________________________
(あとがき)
こんにちは、汐風 波沙です。
今回は、あまり書いたことのないバトルシーンを書きました。
今後の参考にしたいので、できれば、バトルシーンを書く時のポイントなどを教えていただけると、助かります。
今後とも、この作品、そして、自分の書いている作品を、よろしくお願いします。
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