第6話 訓練開始‼

「とまあ、こんな感じで、俺の過去の話は終わりだ。」

と言いながら、俺はフォログラムの画面を片付けた。

「悲しくなかったの?」

「悲しくはない。」

「じゃあ、どうして、泣いているの?」

「えっ⁉」

俺は、頬をなぞった。指先には、涙が付いていた。

「きっと寂しかったのでしょう。」

「ああ、俺は、ずっと寂しかったのか。」

「きっとそうですよ。だから……」

そういうと、王女は、俺の唇を強引に奪った。

「今夜は、一緒にこの部屋に滞在してもいいのですよ?」

「はぇ⁉」

「わかりました。もっとわかりやすく言うならば、今夜を共にしましょう。」

「ダメ。」

「ちょっ、秋坂⁉」

秋坂は、俺を抱き寄せた。

「もし、今夜、剣也君が、ここに残るというなら、私も残る。」

「わかりました。では、今夜は3人でということでよろしいのですか?」

「ええ、私は、それで構いませんわ。」

「では……」

明かりが消え、その後、何が起きたのかは、わからなかった。





















翌朝、俺は目を覚ました。部屋は、王女の部屋だった。そして、気付いた。

「なんだ、この状況は⁉」

記憶を整理してこう。

俺の過去の話をし、三人でこの部屋で眠ることになり、明かりが消え、目を覚ますと、王女と秋坂と俺は裸でベッドの上。

俺、現行犯逮捕だな。

「……んっんっーん。もう朝なの?あら、おはようございます剣也様。」

「おはよう、剣也君。昨日は、壊れるかと思たわ。」

「私もです。あんなに激しい交わりは、久しぶりで、壊れるかと思いましたよ。」

「しかも……」

秋坂は、股を開いた。すると、白い液体が、ダラァーと流れ出てきた。

「こんなにたくさん出して、妊娠するんじゃないかしら。」

「その心配はいりませんわ。こちらの世界にいる異世界人は、こちらにいる限り、子供を授かれないようになっておりますので、私も、かなりの量を出されましたが、妊娠の心配はしておりませんし、妊娠したとしても、よい遺伝子を手に入れたことにもなりますしね。」

「じゃあ、クラスの奴ら犯しまくってもいいか?」

「「それは絶対したらダメ‼」」

「どうして?」

「それは……」

「どうしてもというときは……」

「「私が何とかしてあげるから‼」」

俺は今日、王女とクラスのマドンナを一気に攻略した。










俺たちは、服を着替えて、朝食会場にいた。

「皆様、どうぞ召し上がってください。」

なんだか、異世界の飯はまずいというのが定番らしいが、この世界の飯は、俺たちの世界の5,60倍旨かった。

「ヤバい‼これ最高‼」「お代わり、お代わりはありますか?」

「どれも高級ホテル並み、シェフにお会いしたいわ。」「もっと食いてぇ―」

などと言って声も聞こえた。

「よう、昨日はお楽しみだったな。」

「おい、それは嫌味か刀俄?」

「いやいや、クラスのマドンナと王女の同時攻略をする化け物と違って、俺は一人にしか興味はないからね。」

「相変わらず、一途だな。」

「おう、そこが俺のいいところだからな。」

「確かに。」

「フッハハッ」

「ハハハッ」

俺たちは、笑いあった。

「ところで今日から何があるか知ってるか?」

「魔王倒しに行くんじゃないのか?」

「違うよ、馬鹿なのかお前。」

「じゃあ、何すんだよ。」

「訓練だよ‼」

「俺パスで。」

「なんでだよ‼」

「秋坂とデートしてくる。」

「サボりか?」

「違う。これが、修行になんだよ‼」

「なんの?」

「秋坂自身のレベルを上げる。」

「彼女の能力か……。じゃあ、楽しんで来い。」

「お前ならわかってくれると思ってたぜ。ちょっと誘ってくる。」

「おう、頑張れよ‼」

俺は秋坂のもとに向かった。






「秋坂、今日、俺とデートしよう。」

「はぇ⁉」

顔が真っ赤になっていた。

「どうして、でぇと?」

「なんでたじたじなんだよ。お前のレベル上げだよ。」

「ああ、レベル上げね。」

「なあ、王女様、俺たちはそれでいいだろ?」

「ええ、構いませんよ。」

「なら、決まりだ。10時に白の外門前に集合な。」

「わかった。必ず行く。」

「ああ。期待してくれいいぞ‼」







「とは言ったものの、どこに行ったらいいのやら。」

「若い使用人に来てみますか?」

「そうします。」

「あそこにいる子なんてどうでしょう。」

「じゃあ、ちょっと行ってきます。」

俺は、若い使用人のもとに向かった。

「すみません。」

「どうかなさいましたか?」

「いや、デート行くにしてもどこに行ったらいいかわからなくて、なんかオススメと場所ありますか?」

「そうですねー……」

使用人さんは「う~ん」と唸りながら考えてくれた。

「あ、港沿いの高台にある公園なんてどうでしょうか。あそこには、花畑もありますし。すぐ、お弁当準備しますね。」

「あ、ありがとうございます。」

俺は一礼し、王女のもとに戻った。




「決まりましたか?」

「はい。」

「護衛は付けますか?」

「大丈夫です。」

「私は?」

「今度機会があれば。」

「わかりました。」

「じゃあ支度してきます。」

「行ってらっしゃいませ。」

俺は、自分の部屋に戻り制服に着替えた。




_____________________________

(あとがき)

 こんにちは、汐風 波沙です。

 この作品は、日ごろの妄想をため込んで晴らすために書いて行こうと思っていたのですが、逆に、この作品に自分の全部を詰め込めさせられていて、今では、とても大事な作品となりました。

 よかったら、感想やアドバイス、レビュー、その他もろもろ頂けると幸いです。

 今後とも、この作品や、自分の執筆しているほかの作品をよろしくお願いします。

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