第3話 ステータスの存在と魔力の汎用性②
「皆様、騒ぐのは構いませんが、わたくしから紹介したい方々がいらっしゃるのですがよいですか?」
「誰だろう?」「方々っていうからには、複数人じゃないの?」
などという声がちらほら聞こえてきた。
「では、入ってきてもらいましょうか。どうぞ‼」
というと、大広間の扉が開き、全員魔術師のような恰好をしている、俺たちと同じくらいの歳の少年少女が入ってきた。
「では、グリシア様、挨拶をお願いします。」
「はい、王女様。初めまして、日本の学生の皆さん。私は、グリシア・ファーラルと申します。これからともに戦う仲間になるので、親しみを込めて『グリシア』と呼んで……、は?なぜ、何故ここに君がいるんだケンヤイチガサキ‼」
ああ‼なんで知ってるやつがいるんだよこの世界は。
「おい、ケンヤ‼貴様は、魔術学校を中等部で抜けて日本の高校に行ったんじゃないのか?」
そう言いながら俺の方に近づいてきた。
「おい、聞いてるのか⁉なんで君がこの世界に来ているか説明を僕は求めているんだよ‼」
「どうしてもこうしても、そこの王女様が俺の学級ごと召喚したせいで偶然来ただけだ。」
「ああ、そうか。すまない、久しぶりに会えて突っかかりたくなってしまった。」
「そうか。それにしても、3年ぶりか?久しぶりだな、シア。俺を超えれるようになったか?」
「超えるも何も、君に最初魔術を教えたのは誰なのか覚えてないのか?」
「ちなみに、
「よう、グリシア‼相変わらず優等生やってるのか?」
刀俄は、グリシアの背中を思いっきり叩いた。
「痛ッたいな、君は相変わらずバカ力だな。君も元気そうでよかったよ。」
「ところで、ライアは元気か?」
「ああ、この場に……」
「トウガ君、おっひさー、それに、ケンヤ君も。」
「なんだライア、君も来ていたのか。」
「うん‼なんか懐かしい感じするね。第32期生の私たち4人がそろうのって。」
「そうだね。ところで、剣の巫女って知らない?このグループにいるって聞いたんだけど……」
俺はその時、その言葉を聞き、ハッとなった。
「な、なんでそいつに用があるんだ‼」
「ど、どうしたんだい、ケンヤ。僕は、彼女と契約しようと思ってここに来たんだ。」
「そうか。でも、もう無理かもしれないぜ。」
刀俄が、邪悪な笑みを浮かべていた。
「なぜそう言い切れるのかな?」
「だってよう、俺がステータス知らないのは、剣也と、剣也の後ろにいる、秋坂くらいだからな。」
「なら、君の後ろにいる、Ms.アキサカが、剣の巫女なんだろう。さあ、ケンヤ、彼女を僕に紹介してくれないかい?」
「嫌だね。」
「どうしてかな?僕が彼女と契約した方がこの世界を救う確率は上がると思うのだけど?」
「それは無理だと思うけどな。」
「どういう事かな?トウガ、君は、僕が器じゃないというのかな?」
「いや、お前が、このクラスの奴なら、止めはしないさ。だがな、秋坂と剣也はな、もうすでに契約し終えていると俺は思ってるんだよ。」
「お前に隠し事はできねぇーみてぇだな。さすがだな、刀俄。お前の言うとおり、俺と秋坂は、もうすでに契約を交わしている。」
「ならば、僕も契約を……」
「それは、絶対に無理だぜ。」
「なぜそれを言いきれる。」
「そんなもん、彼女が俺と契約する際に、彼女が自分の意志で俺以外と契約しないと誓ったからだ。」
「そんな、この僕が、言う前に振られるなんて……」
「だから、今回は諦めろ。」
俺は、秋坂を抱き寄せ、
「こういう事だからよ‼」
「きゃっ‼」
「は?」
その場にいたもの全員がフリーズし、次の瞬間、
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」」
もちろん、これは、他の奴への警告でもある。
俺からこいつを奪いたければ、俺を殺すしかないぞ
ということだ。
「もう‼なんで君は、そういう事をすんなりできるの‼私は、とても恥ずかしかったわ」
「ごめん、ごめん。でも、これで全員に印象づいただろ?」
「そうでございますね、私も納得いたしました。お二人の関係性について。」
「王女様、俺たちは何度も言ってるけど……」
「唯一無二のパートナーですよね?」
「そうです‼私達は、パートナーなんですよ。これから戦いを共にする。」
「なら、お二人のきずなを深めるために、お二人のお部屋は一緒にしておいて正解でしたね。」
「え⁉」
「おいて照れるな。私と同じ部屋がそんなにうれしいか?」
「もちろんですとも。」
「やっぱり、秋坂様、愛されておりますね。」
「もぉぉぉ‼そう言うんじゃないです~‼」
「ま、お二人共にはお話があるんですよ。」
「じゃあ、そろそろ本題に、」
「入ってもらえますか?」
「わかりました。あなた方は契約されたのですよね?」
「そうですけど……」
「それが何か?」
「いえ、ステータスインストールの際、一ヶ嵜様の能力に、『契約壊し《コントラクトブレーカー》』というものがございまして……」
俺は、冷や汗をかき始めた。
「それ、聞いてない。」
「ま、まあ、言ってないからな。」
「いや、私も驚きましたわ。他にも、いろいろな役職、スキル、魔力量は関係ないですね。トータルで、1000を超える魔術というものをお持ちで。」
「何、それ。一ヶ嵜君どういうこと?」
「わかった。話すよ。とりあえず、他の奴らに聞かれたくないから、場所を変えたい。」
「ならば、私の寝室に行きましょう。」
「いいんですか?俺、男ですよ。」
「かまいませんわ。使用人の中にも男の方が多いので。」
なるほどね。
どおりでこの人が男の扱いをわかっているわけだ。
「なら、お願いします。行こう、秋坂。」
「わかった。」
俺たちは、王女様の寝室に向かった。
_____________________________
(あとがき)
こんにちは、汐風 夙です。
この作品は、今後、自分が、本腰を入れて作って行こうと思う作品です。
他の作品も力を入れて頑張ろうと思っています。
この作品読んでみての感想などのレビューや、星、応援や、応援メッセージなどをいただけると幸いです。
今後も、主に週末の更新になりそうです。
今後も頑張って行こうと思っておりますので、応援と、自分の書いている他の作品もよければよろしくお願いします。
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