『 神日 』 神様が降りてくる日

こやかず

第1話 神降臨

柿山 茂(かきやま しげる)は

男子高校生である。


特に何かと才能に恵まれてなく

至って平凡もしくはそれ以下である。


そんな茂は今休み時間を

1人学校の屋上でのんびりと過ごしていた。


「今日もいい風だ。」


優しく涼しく弱い風が茂を通り過ぎた。


「冷たっ!!!!」


「びっくりしましたか先輩。」


学校の屋上で涼しんでいる茂の首根っこに

キンキンに冷えたコーラを当てた後輩がいた。

その後輩の名は

月見里 来瑠璃(やまなし きるり)

この学校ではまあまあ人気の美少女だ。

少しテンションが高く初対面の相手には

上手く話せないその時に噛み噛みになるのが

可愛いらしい。

あとはロリ顔で小柄のくせに胸だけは大きい。

これも彼女が人気の理由だろう。


「先輩コーラです。」


「あーありがとう。」


カシュッ!!と音を鳴らしながら

缶のコーラの蓋を外すと炭酸が溢れ出てきた。


「おっとと。」


「あっ!!すいません先輩。

ここに来る時に転んじゃってその時に

落とした・・・・・・という理由を考えながら

今のことを想定して振っときました。」


「ああ、そうまぁ別に怒ってないし良いよ。」


茂は気にせずに貰ったコーラをゴキュゴキュと

喉を鳴らし飲んだ。


「先輩どんだけ喉乾いていたんですか?」


「ああ、来瑠璃がコーラを持ってきそうな

気がしたから喉を乾かしといた。」


一瞬にしてコーラ1缶を飲み干した茂は

適当な理由を言って屋上から遠く離れた

『カン』と赤文字で書かれた

自販機の隣にあるゴミ箱に投げた。

しかしそんなちょっとした奇跡は起きず

大きく外れて女体育教師

広川 布美(ひろかわ ふみ)の頭にコツンッ!!

と当たった。


「痛てっ!!誰だ私にコーラの缶を

投げつけた奴は!!!???なんだ

からかってんのか!?

合コンで良い男見つけて1時間 で

振られる可哀想な女とか思って

からかってんのか!!!!!!

くそがぁぁぁぁーーー!!!!!!!!!!!!」


布美は缶を地面に叩きつけ

大きなクレーターを作った。


「こっわーあのゴリラ教師。」


「やっぱりお前かぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」


「先輩!!!!バレてます。」


布美はものすごく地獄耳で

半径10キロメートル以内で

自分が気に入らないと思った発言をした奴は

隣で言ったかのように聞こえるらしい。


「ん!?」


「来瑠璃も感じたか!?」


まるでゴキブリがゴソゴソと動くような

足音が来瑠璃と茂の耳に入った。

来瑠璃は赤い霧で身を包み

茂は紫の霧に身を包んだ。

この2人が身にまとっている霧は

『妖魔力(ようまりょく)』と呼ばれる力の

霧状態のものだ。

赤い霧は妖の力で

青色の霧は魔の力だ。

そして世の中に少数しかいない紫の霧

それは魔と妖の力『妖魔』の力。

その力を茂は持っている。


「眼力衝撃波(がんりきしょうげきは)。」


茂はウィンクをしてそこから衝撃を飛ばした。


「キィィィィエエエエエエ!!!!!!!!!!!!」


敵は姿を現さず大きな鳴き声を上げて

倒した。


「なんだ。神魔虫か。」


神魔虫・・・・・・神の虫。

普通の妖魔力者でも食われる。

そして更に強い神魔幻虫と神魔獣、神魔幻獣がいる。


「俺らがこうなっちまったのも

4年前あんな事があったからだよな。」


「そうですね。先輩。」


茂と来瑠璃は人間が巨大な何かから

襲われるのを思い出した。


「ちっ!!!!神は俺が殺す。」


「私の親も神に殺されてますから。

頼みますよ。神をゴミみたいにぐちゃぐちゃ

と踏み潰してください。先輩。」


急に真剣な空気になって

『何か楽しい話題はないか?』と考えて

休み時間を終わらす2人であった。


そして放課後になって茂は布美に

呼び出されていた。


「おい貴様。

休み時間にコーラの缶を・・・・・・

コ〇・コーラの缶を投げたか?」


「なんでそこを言い換えた?」


いつもにこやかで優しそうな顔をしている

布美が鬼のように寧ろ鬼になって

茂を見つめた。


「そんなもんどうだっていいんだよ。

お前が投げたか投げてないか

聞いてんだよ!!!!はよ答えろ。

投げてないとか『ウソ』をついたら殺すぞ。

そしてお前が投げたんなら殺す。」


「どっちにしろ殺されんじゃねぇーか。」


絶体絶命になった茂は大量の冷や汗を流した。

ちなみに来瑠璃は学校の校門で茂を

待っていた。


「ぼぼぼ、僕がやりました。」


「はい死ね。」


「ギャァァァァアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


学校に茂の泣き声が響き渡った。


「でもあんたはフェニックスの力も

持ってんだから死なないじゃん。

またな。クソガキ。」


「くかかかうぉうぉうぉみけけけ

(この姿を見てもそう言える先生恐ろしや。)」


茂はゴミみたいな。

もはやゴミの姿にされていた。


「とほほ。お待たせ来瑠璃さぁ帰ろう。」


「う、うん。帰りましょうか先輩。」


2人は自宅の訳ありオンボロ激安アパートに

帰った。

昔から仲が良く2人は共同生活をしている。

しかし来瑠璃は『安い家賃が更に安くなる』

と思い共同生活をしている。













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