第十話 星の王子さま2

初めての三者面談は、成績が悪かったことで僕はちょっと泣いてしまった。ママは黙って先生の言うことを聞いていたが学校を出ると日本語の本が好きになったから国語の成績は良かったのね。これまでよくひとりで頑張ったわねと言った。


そしていつもの西の浜にでると歩きながら仲良しの友達はできたのと聞かれた。


-同じ部屋のともだちは千葉とかシンガポールとかいろんなところから来てるん 

 だ。僕もドイツで生まれたんだといったらみんなもいろんなことを聞いたり話し   

 たりしてくれるんだ。


そういうとママはあぁそうなのよかったわねといった。疲れているのかもしれない。


-それに大学生の先生が星の王子さまのことを教えてくれたんだ。書いた人はフラ

 ンス人のパイロットだったんだけど戦争中にドイツの戦闘機に撃ち落されたんだ。

 でも今になって海底で見つかったブレスレットにそのフランス人と奥さんの名前

 が書かれていたんだって……

 それで撃ち落したドイツの人がわかったんだけどその人は…本当に悲しんだんだ。


それでまた泣いてしまったことは言わなかった。小学校の時は、いつも泣き虫といわれていたけれど、ここでは誰もそんなことは言わない。ただ何も言わない。


-それで僕はもっとドイツが嫌いになったんだけど…大学生の先生は二度とこんな

 ことがないようにしっかりと歴史を学ばなければいけないよと言ったんだ。


そういうとゴールデンウィークは寮にいてもらったけれど夏休みには海外に行くから英語を頑張ってねといわれて落ち込んだ。そして何が食べたいかと言われたのでマックが食べたいといった。



マックは、見たこともない大きな山のふもとにあった。車であっという間についた。広い道路に面していて大きな駐車場もあるけど小さなお店だ。ビッグマックにフライドポテトL、ナゲットにマックシェイクそれにハッシュポテトも食べたいな。そういうとママは、なんでも食べなさいといった。


カウンターでメニューをみるとすっかりハッピーセットを忘れていたことに気がついた。ポケモン。でも学生服をきているのでオーダーしてよいのか心配になった。


中学生でも…ハッピーセットのおもちゃをもらえますか。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る