第二話 マクドは、どこだ

新入生合宿研修から戻った週末に誰からともなくマックに行こうとの提案があった。マクドナルドであることは明白だったが帰国生にはミッキディーだそうだ。


皆で意を決して昼食後に外出届を記して駅に向かおうとすると駅前にはマックはなかったよと誰かが言った。じゃあ反対の道に進もうということで皆で勇んで北を目指した。目指すべきは、チーズバーガーとフライドポテトだ。


途中で松林を抜け浜辺に出た。西の浜だ。あいにくの曇りもように薄い高島に鳥島が重なって見える。まるで星の王子さまにでてくる象を飲み込んだ蛇のようだねと誰かが言った。


国道に戻り北上を再開したが遠くまでマクドの気配は全くない。それどころか見たこともないほど大きな煙突が二本そびえ立つ基地みたいな建物が見えた。こわかったがそれでも進むことにした。時間はそれほどたっていないが結構な距離を歩いた気がした。



そのうちくるまが行き交う道路にでたがそれでも皆と懸命に歩き続けた。いけどもいけどもマクドのマの字もない。ただひたすらに歩き続けるのだ。何かを追い求めるように歩いて歩いてどこかに辿り着くために歩くがそのどこかもわからなくなった。


七ツ釜


ここは、外惑星だ。皆が思った。ここStar Warsで観たことがあると誰かが言った。いつしか違う惑星に降り立ってしまった僕らは、これからどうしたら地球に帰り立つことができるかを思わずにいられなかった。

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