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教師を解放したものの、居心地の悪い空間である事は変わりない。
男は別にボクを警戒する様子はなく、少し面倒そうな顔で、ボクをじっと見つめている。
やはり周りから声が上がる事もなく、ただ眺めるような視線がボクに注がれる。
いっそ誰かボクを攻撃してくれれば楽なのに、彼らは銃口を向けるどころか、銃を構えてくれさえしない。
ボクの選択を迫っている。場違いな存在であり続けるのか、この空気に屈服するのか、それとも、逃げるか。
苦し紛れに叫ぶ。
「け、警察!」
「警察?」
「そうです!そんなことしてたら警察に捕まるに決まっていますよ!」
「...?」
やはり手答えのない反応。しかし、もう引き下がってはいられない。
「いいんですか?教師人生が終わっちゃうかもしれないんですよ?社会に戻ってこれないかもしれないんですよ?どうなっちゃうか分かりませんよ?不安になりませんか!?」
自棄になって言い切る。
男は、一笑して答える。
「不安って、何を言っている?ここはアイポーツ。未来に不安を抱えることのない素晴らしい世界ではないか。」
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